今回は、2020年11月6日金 チコちゃんに叱られる!「▽フライドポテトの秘密▽葉っぱが落ちる謎」の番組内容を紹介。
なんで寒くなると葉っぱが落ちるの?
確かに、広葉樹は、寒くなると葉っぱが落ちますね。
やっぱり、必要ないから?
なんで寒くなると葉っぱが落ちるの?
本日の3つめ目の話題。
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、植物を大切にしている優しい大人ってだーれ?」
岡村さんの指名で、解答者は高橋秀樹さんに。
樹木の話題。
チコちゃん「なんで寒くなると葉っぱが落ちるの?」
高橋さん「なんで?」
全く答えられず、叱られちゃいました。
チコちゃんの答えは、「木は、非情なリストラを繰り返すひどい会社みたいなものだから。」
木は、非情なリストラを繰り返すひどい会社みたいなものだから
解説してくれたのは、東京大学日光植物園の舘野正樹園長。
寒くなってくると落ち葉を落とす木の事を落葉樹と呼びます。
この落葉樹たちはある理由によって葉っぱをわざと落としています。
そこには葉っぱが行う光合成の働きが大きく関係しています。
光合成とは根から吸い上げた水と二酸化炭素を元に太陽の光を使って酸素と炭水化物を作り出す植物にとっては欠かせない働き。
植物は光合成によって作られた炭水化物で成長。
という事は、落葉樹は光合成を行う大事な葉っぱをわざと落としていることになります。
そこには非情でシビアな植物の事情があるとのこと。
ここから、ドラマが始まります。
NHK金曜土曜ドラマ「ハゲオチタカ」
ハゲタカのパロディ。
落葉商事の取締役・幹谷耕三役は陣内孝則さん。
営業部長・葉頭治役は宮川一朗太さん。
営業部の社員は、「葉員」。
夏の季節を勝負の時期と考える落葉商事。
太陽のもとで徹底的な利益追求を行うという上層部からの命令。
春に開いた新緑の葉の色はまだまだ薄く、光合成に必要な葉緑素も不十分。
だから、葉が十分に成長してくる夏は光合成で栄養をとり込む書き入れ時。
命令に従ってせっせと営業周りを行う葉員たち。
出張費や交通費などもかさみますが、営業部では経費は、「どんどん使え!」
この経費は、木で言えば、「水」。
木は水という光合成に欠かせない経費を根から導管という経路を使って平社員の葉っぱに供給。
葉っぱは太陽の光を浴びて懸命に働く営業部。
エネルギーである炭水化物という利益を樹木の為に供給し続けます。
ところが、そんな状況も長くは続かず。
葉員に疲労が溜まります。
それを懸念した葉頭部長は休養を設ける事を提案。
幹谷取締役はこれを一蹴。
その一方で、夏の日差しを浴びる葉っぱたちの懸命な光合成によって樹木は十分な栄養素をとり込みます。
落葉商事の利益は増大!
上司たちは調子に乗って部下たちに「ハッパ(葉っぱ)をかけ続ける」状態に。
ところが終わりは確実に忍び寄っていたのです。
葉員たちに明らかに疲労の色が見えるように。
落葉樹の葉っぱは、一年中葉っぱが付いている樹木の葉と比べると、厚みが薄く長持ちしません。
そして季節が秋になり日照時間が減ると光合成で作られる栄養も徐々に減少。
努力に光が当たる事も少なくなってきた時期。
葉員たちの踏ん張りも効かず。
幹谷取締役「そろそろ、エンボリズムだな。」
エンボリズムとは寒くなって樹木の中の水を通す導管が凍ること。
水が流れにくくなる現象の事。
夜に氷点下となって導管の内部が凍ると溶け込んでいた空気が気泡となって固まります。
そして昼間、温かくなって氷が溶けると気泡同士が集まって一つの大きな気泡になり導管の水の流れを遮断。
葉っぱは水分の供給を断たれて干からびる事に。
そもそも葉っぱには樹木の成長に必要な栄養素が沢山蓄えられており、葉っぱが干からびてしまうとその栄養素を樹木は丸ごと失ってしまいます。
これは樹木自体の生命すら脅かす致命的なダメージ。
今は温暖化の影響もあって冬でも氷点下になる事が少ないですが、大昔の日本は今よりも気温がずっと低く、樹木の中の水分が凍ってしまうほど冷え込むのが普通の環境。
落葉樹はその厳しい環境を生きた経験から、気温が低くなり始める秋に、近いうちに起こるであろうエンボリズムを早めに警戒して、葉っぱを落とす作戦に。
幹谷取締役「そろそろ潮時だな。彼らにもう用は無い。落葉商事は黒字リストラを断行する。」
黒字リストラとは赤字になる前に人件費をカットする目的で行われるリストラ。
利益を維持して人員を新陳代謝させるというもの。
企業が先の赤字を警戒して社員をリストラするように、落葉樹もエンボリズムを警戒して先に葉っぱを落とします。
そしてエンボリズムが起こる前に落葉樹は葉っぱに残った栄養素を根こそぎ回収。
葉っぱが落ちる前に変色するのは栄養分を吸い取られた証拠。
すると、葉っぱと枝の境界に離層という壁を作り、不要になった葉っぱを切り離して落とします。
こんなシビアな決断を木は毎年繰り返しています。
こうして葉っぱから回収したエネルギーなどを使いながら厳しい冬を乗り越えます。
春になってまた光合成が出来るようになると新しい葉っぱを作って再び成長。
幹谷取締役「君たちはしょせん、、、使い捨てなんだよは! は (葉)!は (葉)!は (葉)!は (葉)!」
そして、部屋の外に。
葉頭部長「アイツら絶対許さねぇ、、、倍返、、あっ!?」
落ち葉のようにヒラヒラと舞いながら終了。
結論
というわけで、
「なんで寒くなると葉っぱが落ちるの?」は、
「木は、非情なリストラを繰り返すひどい会社みたいなものだから」
でした。
解説してくれたのは
東京大学日光植物園の舘野正樹園長。
舘野 正樹 (たての まさき)
職名 准教授
所属 理学系研究科 生物科学専攻 生物学科 附属植物園(日光)
メールアドレス
居室 植物園日光分園
電話番号 0288-54-0206
研究分野
植物生態学
研究テーマ
植物の生理生態学、進化生態学、群集生態学に関する理論的・実験的研究
研究内容の概要
植物個体の生理学的統合モデルをもとに、無機栄養や水ストレスに対する個体の適応様式を解明するとともに、それが自然間引き、窒素と炭素の循環、分布という群落および生態系レベルでの現象にどのように関係しているのかを理論と実験の両面から解明する。
キーワード
植物、個体、成長モデル、光合成、窒素同化、水分生理、自然間引き、窒素循環
外部リンク
http://www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/nikko/NikkoBG.html
(大学HPより)
東京大学日光植物園
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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