今回は、2018年4月27日放送、「チコちゃんに叱られる!」の3回目の放送の3つ目のお話。
「森のニオイって何の匂い?」だよ!
確かに森の中って、いろいろな匂いがするよね。
森林浴とかとっても気持ちいいし!
森のニオイって何の匂い?
でも、何の匂いなんだろう?
シダーウッドの匂い?
(注)シダーウッド:針葉樹を中心とした草木のこと。アロマオイルなどによく使われる。
森の匂いといえば、入浴剤や芳香剤でもたくさんあるね。
森林浴を満喫している山ガール、山ボーイに聞いてみた!
みんな答えられないみたい。
『「森の匂いが何なのか?」も知らないのに、やれ森林浴だのやれヤッホーだと言っていることの日本人のなんと多いことか?』だね。
チコちゃんの答えは
森のニオイは殺しの香り
Death Small!
なんだって?
どういうことなんだろう?
専門家の解説だよ
森の中で人間がホッとする成分があるんだって。
その成分が植物が出す「フィトンチッド」!
このフィトンチッドは、1930年にロシア、レニングラード大学のポリス・トーキン博士が発見したんだ。
彼は、植物を傷つけるとその周囲にいる細菌が死ぬ現象を発見したんだ。
これは植物が周囲に何らかの揮発性物質を放出したと考えて、この物質を「フィトンチッド」と命名。
フィトンチッドは「植物」を意味する「Phyto」と「殺す」を意味する「cide」から作られた造語なんだって。
フィトンチッドは、植物がだす毒なんだね。
これによって、植物は敵から自分自身を守っているんだ。
フィトンチッド(phytoncide)とは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。
植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指す。
森林浴はこれに接して健康を維持する方法だが、健康だけでなく癒しや安らぎを与える効果もある。
フィトンチッドはその殺菌性や森林の香りの成分であるということから良いイメージがあり、森林浴の効能を紹介する際に良く用いられている。(Wikipediaより)
植物の敵って?
植物の大敵は、カビや細菌などの微生物。
感染しちゃうと、光合成などができなくなって枯れちゃうんだ。
そこで、植物は「フィトンチッド」という毒を出して、これらの敵を攻撃しているんだね。
ということは、
山ガールや山ボーイのみなさんは、森で毒を吸っているということになっちゃうね。
みんな、大丈夫なのかなぁ。
先生のコメントによると、ものすごく高濃度のフィトンチッドを吸えば人にとっても毒だけど、山の中に漂っているフィトンチッドの量はとっても微量だから逆に人間にとって良い作用を持っているとのこと。
よかった、これで安心だ!
毒なのによい作用とは?
人がフィトンチッドを吸引すると、脳の活動が沈静化し、ストレスホルモンと呼ばれるアドレナリンの分泌が下がるんだって。
つまりストレスが減るから、リラックスできるんだね。
このフィトンチッドの作用はコーヒーやお酒と似てるね。
大量に飲むと毒だけど適量ならリラックスして気分がよくなったり。
フィトンチッドを吸引することで、もっと体に良いことが!
フィトンチッドが体内に入ると癌細胞やウイルスを攻撃する細胞の数が飛躍的に増加することが最近の研究で分かってきたんだって。
フィトンチッドが増やすといわれるその細胞は、ナチュラルキラー細胞!
この細胞の数が増えることで、がんなどの病気に対する免疫力が上がるんだ!
日本医科大学・李卿先生(森林医学の第一人者)は、実際にフィトンチッドを吸うと、癌細胞やウイルスを攻撃するナチュラルキラー細胞が増加&活性化することを実験で確認したんだよ。
李卿先生
李卿先生のホームページ
街の中で過ごした場合と森の中で過ごしたグループで人のナチュラルキラー細胞の活性を比較すると、街の中で済んでいる人はほとんど活性化しなかなかったのに対して、森の中で過ごした人は、その活性が56パーセントも上昇!
3日間という短い時間の実験だけど、こんなにナチュラルキラー細胞の活性がふえているってすごいね!
フィトンチッドがストレスを軽減し、病気への免疫力アップに貢献する効果を日本人は昔から上手に利用してるよ。
ヒノキ風呂のリラックス効果や、サワラの葉を魚の下に敷くことは、フィトンチッドによる防腐効果を狙ったもんなんだね。
ということで、「森の匂いは植物が自分を守るための殺しの香り」
森林浴の研究は、日本が最先端なんだね。
森林浴のリラックス効果については、川のせせらぎ、落ち葉の感触など五感を通してリラックス効果が得られるといわれているんだって!
とっても勉強になったね。
僕も、森林浴にいってみよっと!
解説してくれたのは
国立研究開発法人森林総合研究所
環境計画研究室室長
香川隆英先生
香川隆英先生
森林研究・整備機構
国立研究開発法人森林研究・整備機構(しんりんけんきゅう・せいびきこう)は、林野庁所管の国立研究開発法人。
2017年(平成29年)4月1日までの名称は国立研究開発法人森林総合研究所
(しんりんそうごうけんきゅうじょ、英:Forestry and Forest Products Research Institute、FFPRI)、略称は森林総研。
本所は茨城県つくば市松の里1番地(筑波研究学園都市内)に置く。
機構は、森林及び林業に関する試験及び研究、林木の優良な種苗の生産及び配布、水源を涵養するための森林の造成等を行うことにより、森林の保続培養を図るとともに、林業に関する技術の向上に寄与し、もって林業の振興と森林の有する公益的機能の維持増進に資することを目的とする(国立研究開発法人森林研究・整備機構法第3条)。
2005年に前身である農商務省山林局林業試験所の発足から数えて創立100周年を迎えた。2007年に独立行政法人林木育種センターを、2008年に独立行政法人緑資源機構(森林整備センター)を統合した。
(Wikipediaより)
国立研究開発法人 森林研究・整備機構
国立研究開発法人森林総合研究所
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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