今回は、チコちゃんに叱られる! ▽イクラの謎▽飲み物の不思議▽なぜ正の字を書く 初回放送日:2024年10月4日を紹介。
なんで冷たい飲み物は美味しく感じるの?
なんで冷たい飲み物は美味しく感じるの?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、飲み物にこだわりのあるステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「なんで冷たい飲み物は美味しく感じるの?」
チコちゃんの答えは、「細菌が繫殖しにくい温度だから。」
細菌が繫殖しにくい温度だから
冷たい飲み物を美味しく感じる理由はいくつかあります。
まずは体温を下げるために脳が「冷たい飲み物は美味しいぞ。」と感じさせている。
それ以外に、私たちの命を守るために冷たい飲み物を美味しく感じるようになっています。
そもそも飲み物が美味しく感じる温度は冷たい飲み物の場合は5~10度、温かい飲み物は60~70度ぐらい。
これらの温度帯では細菌が繁殖しにくいことが知られています。
反対に体温に近い30~40度では細菌が最も繁殖しやすい温度帯。
厚生労働省の基準では食品1gあたり細菌が10万個以上検出されるとその食べ物は不衛生とされています。
煮出した麦茶を2~5度の冷蔵庫内と体温に近い常温の30度でそれぞれ保存して細菌の繁殖具合を比較。
冷蔵庫の麦茶は1週間経っても細菌の検出はゼロ。
常温では1日をこえたあたりで基準の10万個を突破。
2日後には100万個を超えて不衛生な状態になりました。
麦茶は大麦が原料で細菌のエサになる炭水化物が多く含まれているため。
東京都水道局のHPでは、水道水の場合は直射日光を避けて常温保存だと3日程度、冷蔵庫保存であれば10日ほど塩素の消毒効果が続きます。
それ以上経つと飲用には適さない状態になります。
こういった事から、常温の飲み物が美味しいと感じてしまうと、細菌が繁殖しやすい飲み物を好むようになってしまいます。
人間は生き延びるために本能的に細菌が繁殖しづらい冷たい物を好むように進化したとのこと。
甘み、旨み、苦みなどの味覚は温度によってその感じ方が変わります。
味を感知するセンサーである口内の味蕾は体温付近の温度帯で最も敏感に反応します。
それを外れるとどんどん味に対して鈍感に。
冷やした牛乳であればゴクゴク美味しく飲めますが、常温になると少し生臭く感じます。
これは冷たいとセンサーの感度が落ちて牛乳が持っている雑味を感じにくくなっているから。
常温になるとセンサーが敏感に察知して牛乳が本来持っている雑味を感じてしまいます。
同じ飲み物でも温度を変えるとどれだけ感じ方に差が出るか検証。
角砂糖7個をコップ一杯の水に溶かした砂糖水は、砂糖の塊を飲んでいるような不快なレベルの甘さ。
5度に冷やして飲んでみると飲みやすくて美味しい。
30度のセンブリ茶を飲んでみると、激苦状態。
5度に冷やした途端に麦茶並みになります。
30度の昆布だしがめちゃくちゃ濃く感じますが、5度に冷やすとめちゃくちゃ薄味に感じます。
ただし、レモン水や食塩水の場合は温度が変わっても感じ方はそんなに変わらないとのこと。
味覚の中でも酸味や塩味は温度によって左右されないという結果。
「なぜ温度によって味の感じ方が変わるのか?」についてはまだ未解明の部分が多くあるそう。
酸味と塩味については味の感じ方のルートがことなります。
これらは温度が変わってもセンサーの感度が変わらないからではないかとのこと。
しかし、なぜセンサーのルートが2つ用意されているのかもまだ不明。
味覚にはまだまだ分かっていない事が沢山あります。
最後に、美味しく感じるかどうかは習慣も大事なポイント。
日本ではビールは冷やして飲むのが一般的なのに対してドイツやイギリスなどでは常温で飲むのが一般的。
これらの国では常温のビールで美味しさを感じているのですね。
結論
というわけで、
「なんで冷たい飲み物は美味しく感じるの?」は、
「細菌が繫殖しにくい温度だから」
でした。
解説してくれたのは
東北大学の笹野高嗣名誉教授。
笹野 高嗣
ささの たかし
平成10年に東北大学歯学部口腔診断学教授。
東北大学歯学部附属病院長、東北大学歯学部長、東北大学大学院歯学研究科長、日本口腔診断学会理事長などを歴任。
(HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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