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なんでふりがなをルビっていうの? 宝石のルビー

今回はチコちゃんに叱られる! ▽デパ地下の謎▽クロワッサンの謎▽ルビの謎 初回放送日:2025年1月17日を紹介。


なんでふりがなをルビっていうの?




なんでふりがなをルビっていうの?


チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、本を読んでいる素敵な大人ってだーれ?」


チコちゃん「なんでふりがなをルビっていうの?」



チコちゃんの答えは、「宝石のルビー。」



宝石のルビー


江戸時代後期、のちに近代活版印刷の祖といわれる本木昌造さん。



長崎の地で輸入されたオランダの本(蘭書)の翻訳のお仕事をしていました。


オランダ語の通訳の仕事をする中で活版印刷の技術に興味を持つようになります。


金属や木などの活字を組み合わせて紙へ転写を行う活版印刷。




この技術で同じ印刷物を大量に作ることが可能になります。


この技術は1450年頃にドイツで印刷機が誕生しヨーロッパ中に浸透していました。


オランダにも伝わった活版印刷で刷られた蘭書を本木昌造さんも見ていました。


しかし、この時代の日本には活版印刷の技術は伝わっていませんでした。


当時の日本の印刷といえば職人が一文字ずつ手彫りする製版印刷が主流でした。



活版印刷で刷られたオランダの書物だと統一された文字が綺麗に並びます。



手彫りの製版印刷で刷られた日本の書物は手書きのような文字でした。




16世紀末には活版印刷が日本にも伝わります。


日本でも取り入れらるようになりました。


アルファベット表記では、AからZの26文字の活字を作れば印刷が可能に。


しかし、日本語だとひらがなに加えて漢字も一つ一つ活字で作る必要があります。


そのため、活版印刷はあまり定着しませんでした。


しかし蘭書の出来の良さに感動した本木昌造さん。


印刷機を個人輸入してアメリカ人の印刷技師ウィリアム・ガンブルから印刷技術を習得します。


活版印刷を行う会社を設立して大阪や東京に印刷所を建設しました。


明治初めは主に新聞が活版印刷で刷られていました。


しかし、明治20年時点で日本で読み書きが出来る人の割合は約48%。


識字率は約半数。


そのため、全ての漢字にルビを付けた「小新聞(こしんぶん)」が発行されていました。



この時の文字のサイズがかかわっています。


当時、新聞を印刷する際に9種類の文字サイズを用いて「号」という呼び名を割り当てていました。




新聞のふりがなに使っていたのが7号サイズ。


これのアメリカでの呼び名が宝石の「ルビー」でした。



同じ品質のものを大量に印刷できる活版印刷は宗教の布教に利用されていました。


ヨーロッパやアメリカでは文字のサイズが宗教書由来の名前で呼ばれていました。


その中にはルビーという呼び名がありました。


その他の例としては「パイカ」と呼ばれるものも。




これは宗教を広める儀式の取り決めを記した書という意味。


日本語訳すると「典式規則書」という意味だそう。


宗教書のパイカを印刷する時に使われていた文字サイズはそのまま「パイカ」と呼ばれます。


その他にもパラゴン(典範)を印刷する時の文字サイズ、ブレビア(聖務日課書)を印刷する時の文字サイズなどもあります。



さらに小さな文字になると宝石の名前が付けられていました。


なぜ宝石の名前が使われたのかは不明とのこと。


ルビーなどの宝石は旧約聖書の中にも登場していました、


小さな活字を宝石に見立てたのではないかと考えられています。



本木昌造さんがふりがなに使っていた7号はルビーとほぼ同じサイズ。


活版印刷の師匠だったウィリアム・ガンブルも元々はキリスト教の布教のために来日していました。


他のアメリカ人にも分かりやすくするためにふりがなに使う7号をルビーと呼んでいたのが、その由来とのこと。


やがてサイズの名称だったルビーがそのうちふりがな自体を表すように変化して、現在に至っています。





結論


というわけで、


「なんでふりがなをルビっていうの?」は、


「宝石のルビー」


でした。




解説してくれたのは


清泉女子大学の今野真二教授



氏名
今野 真二
フリガナ
コンノ シンジ

職種
教授

所属
日本語日本文学科(2025年度より総合文化学科)

取得学位
修士

学位取得大学
早稲田大学

専門分野
日本語学

研究テーマ
(1)日本語の歴史:室町時代と明治時代とをおもなフィールドとして、日本語の歴史をどのように記述すればよいのかを追究している。
(2)日本語の表記研究:日本語の表記は漢字を専用していた時期から、漢字・仮名交用時期へと移行したが、表記をとおして日本語をとらえることを模索している。
所属学会(役職)
及び受賞歴
【所属学会】
日本語学会 評議員
日本言語学会
訓点語学会
木簡学会
全国大学国語国文学会 委員

【受賞歴】
『仮名表記論攷』(2001年、清文堂出版)によって、第30回金田一京助博士記念賞受賞
主要業績
『仮名表記論攷』 清文堂出版 2001年
『消された漱石』 笠間書院 2008年
『百年前の日本語』 岩波新書 2012年
『正書法のない日本語』 岩波書店 2013年
『かなづかいの歴史』 中公新書 2014年
『仮名遣書論攷』 和泉書院 2016年
『北原白秋』 岩波新書 2017年
『漢字とカタカナとひらがな』 平凡社新書 2017年
『乱歩の日本語』 春陽堂 2020年6月
『日本語の教養100』河出書房新社 2021年2月
(大学HPより)








(Wikipediaより)




今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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