今回はチコちゃんに叱られる! ▽動物園の謎▽なぜ木は長生き▽なぜジョッキで飲む 初回放送日:2025年7月11日を紹介。
なんで動物園はつくられたの?

なんで動物園はつくられたの?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、動物が好きなステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「なんで動物園はつくられたの?」
チコちゃんの答えは、「権力を見せつけるため。」
権力を見せつけるため
今回は、動物大好きなココリコ田中さんも一緒に取材・解説に参加。
動物園は、私たちにとって動物たちの生態を学び、身近に触れることができる場所です。しかし、現代のような動物園がどのようにして誕生したのか、その歴史を辿ると意外な事実が見えてきます。
今回の番組では、古代における動物展示の目的から、現代の動物園が誕生するまでの歴史を詳しくご紹介。
始まりは「権力の象徴」としての動物
現在のような動物園が誕生したのは1700年代終わりのヨーロッパ。
人間と動物はそれより遥か昔から密接な関わりがありました。
インドネシアのリアン・テドング洞窟(約4万年以上前)にはイノシシを描いた画が、
フランスのロスコー洞窟(約2万年前)の壁画には様々な種類の動物たちなど。
数万年も前の動物の壁画が残っています。
そして、動物たちを集めて飼育し、家畜としてではなく「展示」する、という現代の動物園の原型は、約2900年前のアッシリアにまで遡ります。
動物たちを集めて飼育して家畜としてではなく展示するという現在の動物園の原型を作った一人とされるのが約2900年前のアッシリアの王 アッシュル・ナツィルパル2世でした。
アッシリアは、現在のシリアとイラクの北部に栄えた国
ゾウやライオンを飼育し、遠征で獲得したメスザルなどの動物を戦利品として人々に披露していたという記録が残っています。
同様に、古代エジプトのプトレマイオス2世も、征服地から集めたゾウやキリン、ライオンといった動物たちを使って盛大なパレードを行っていました。
富と強さを誇示する場
これらの動物展示の主な目的は、王族や貴族の富と権力を誇示することでした。
動物を飼育・管理するには多大な費用と人員が必要。
これらを維持する財力を見せつけたり、あるいは征服した土地の動物を見せることで、自国の強さを証明する手段として使われたのです。
このように、古代において動物の所有は、まさにステータスであり、王族の権威の象徴として長く続いていました。
現代の動物園はフランス革命から誕生した
王族のための動物展示が続いていた中、1700年代の終わりごろに大きな転機が訪れます。
それが、1789年のフランス革命です。
王政が廃止されると、それまでベルサイユ宮殿などで王族が飼育していた動物たちは、市民のために公開されることになりました。
これは、「人々の教育に役立てる」という名目で行われました。
王族所有の動物たちは、パリの植物園(ジャルダン・デ・プラント)に移され、動物エリアが新設されました。
これが、現代の動物園の形として世界初とされる「ジャルダン・デ・プラント(Jardin des plantes)」の誕生です。
権力者のものから市民のものへ
ジャルダン・デ・プラントは、植物園と動物園の2つのエリアに分かれ、来園者が見て回れるように通路が設けられました。
これにより、動物園は権力者のものから、市民のための教育の場へと変わっていったのです。
その後、イギリスやオランダなどヨーロッパ各地に動物園が誕生しました。
これらは当初、国家の力を象徴する場としての役割も果たしていました。
そして現在では、種の保存や動物の生態研究、教育、さらには商業的な目的も兼ね備える形で、動物園は発展を続けています。
動物園の歴史を紐解くと、動物を展示する目的が「権力の誇示」から「教育」へと、時代とともに大きく変化してきたことがわかりますね。
結論
というわけで、
「なんで動物園はつくられたの?」は、
「権力を見せつけるため」
でした。
解説してくれたのは
関西大学の溝井裕一教授。
溝井 裕一(みぞい ゆういち、1979年- )は、日本のドイツ文学者、関西大学教授。
略歴
兵庫県生まれ。2003年関西大学文学部独文学科卒業、2008年同大学院博士課程修了、「ファウスト伝説 近代における「魔法使い」像の形成と変容」で文学博士。2011年関西大学文学部准教授、18年教授。2018年『水族館の文化史』でサントリー学芸賞受賞[1]。
著書
『ファウスト伝説 悪魔と魔法の西洋文化史』文理閣 2009
『動物園の文化史 ひとと動物の5000年』勉誠出版 2014
『水族館の文化史 ひと・動物・モノがおりなす魔術的世界』勉誠出版、2018
共編著
『ヨーロッパ・ジェンダー文化論 女神信仰・社会風俗・結婚観の軌跡』浜本隆志, 伊藤誠宏,柏木治, 森貴史共著 明石書店 2011
『顔をみること 表された顔をめぐる美術史・文化史的断章』蜷川順子編著,鼓みどり, 中谷伸生, バーバラ・バート共著 関西大学出版部 2012
『ドイツ奇人街道』森貴史, 細川裕史共著 関西大学出版部 2014
『欧米社会の集団妄想とカルト症候群 少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖』浜本隆志編著, 柏木治, 高田博行,浜本隆三, 細川裕史,森貴史共著 明石書店 2015
『想起する帝国 ナチス・ドイツ「記憶」の文化史』細川裕史,齊藤公輔共編 勉誠出版 2017
(HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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