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トロフィーって何? 敵から奪い取った武器をくくりつけたタワー

今回は祝!放送300回!72分拡大版スペシャル! 初回放送日:2025年7月25日を紹介。


トロフィーって何?




トロフィーって何?


チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、いろいろな賞を受賞しているステキな大人ってだーれ?」


チコちゃん「トロフィーって何?」


チコちゃんの答えは、「敵から奪い取った武器をくくりつけたタワー。」



敵から奪い取った武器をくくりつけたタワー


トロフィーの意外なルーツ!2400年の時を超えた「勝利の証」の物語

スポーツ大会で優勝者に贈られるトロフィー。


キラキラと輝くその姿は、勝利の栄光そのものですよね。


でも、このトロフィーが、はるか昔の古代ギリシャ・ローマ時代にまで遡る、壮大な歴史を持っていることをご存知でしょうか?


今回は、私たちが目にする現代のトロフィーが、どのようにして生まれたのか、その驚きのルーツをたどる旅に出かけましょう!



戦場のシンボル「トロパイオン」の誕生

物語は、紀元前の古代ギリシャ時代に遡ります。


当時の戦争では、勝利を収めた軍隊が敵を退却させた地点に、あるユニークな記念碑を建てる習慣がありました。




それが、「トロパイオン」と呼ばれるものでした。




トロパイオンは、木の柱を立て、そこに敵から奪った鎧や盾といった戦利品をくくり付けて作られました。

まるで、戦場にそびえ立つ小さな塔のようですね。



なぜ「盾」が重要だったのか?

この時代、戦場で武器や、特に身を守るための盾を捨てて逃げることは、兵士にとって最大級の不名誉とされていました。


そのため、敵の盾を手に入れることは、自軍の圧倒的な勝利と勇気の証として、非常に記念すべきことと認識されていたのです。


つまり、戦場にトロパイオンを建てることは、単なる記念碑ではなく、敵に向けて自軍の勝利を強くアピールするという明確な狙いがあったのです。


それは、敗れた敵に対する威嚇であり、勝利した兵士たちの士気を高める象徴でもありました。



姿を変える勝利の記念碑「トロパエウム」へ

時代が古代ギリシャから古代ローマ時代へと移り変わると、この勝利のシンボルを巡る習慣にも変化が訪れます。


ローマ人たちは、戦場にトロパイオンを建てるだけでなく、戦利品を自国に持ち帰り、より目立つ場所に設置するようになりました。


当初は簡易的なものでしたが、やがて勝利の記憶を後世に長く伝えるために、より大規模な神殿や塔といった建造物が建てられるようになります。




これが「トロパエウム」と呼ばれるものです。




今でもヨーロッパ各地に残る古代ローマ時代の遺跡には、この勝利を記念する建造物を見ることができます。




そこには、かつてのトロパイオンを模したかのように、鎧や盾などがくくり付けられた彫刻が施されており、その伝統の名残を感じることができます。


壮大なスケールで造られたトロパエウムは、ローマ帝国の威光を象徴するものでした。




忘れ去られた時を経て、ルネサンスで再浮上!

しかし、こうした輝かしい伝統も、時代が下るにつれて次第に忘れ去られ、トロパイオンやトロパエウムは、歴史の中に埋もれていくこととなります。


しかし、歴史は面白いもので、一度忘れ去られたものが再び脚光を浴びる瞬間が訪れます。


それが、15世紀をピークとする古代ギリシャ・ローマ文化ブーム、後にルネサンスと呼ばれる一大ムーブメントです。


「千年以上も前に、こんな素晴らしい文化があったのか!」


ルネサンスは、古代文明の思想や芸術、学問を再評価し、現代へとつなぐ大きな役割を果たしました。この古代文明復興の運動の中で、トロパイオンやトロパエウムも再び人々の注目を集めることになります。



現代の「トロフィー」が誕生!形にも残る古代の面影

そして、このルネサンスの過程で、古代の「トロパイオン (Tropaion)」や「トロパエウム (tropaeum)」という言葉が、現代の私たちが使う「トロフィー (trophy)」という言葉へと変化していきました。




単なる「戦いの勝利記念碑」だったものが、スポーツの勝者などに与えられる記念品も「トロフィー」と呼ばれるようになったのです。




この両者の関連性は、呼び名だけでなく、その形にもはっきりと表れています。


柱の形: 現代のトロフィーによく見られる柱のデザインは、古代のトロパエウムの建物の柱が強く影響していると考えられています。




頂点の人型デザイン: トロフィーの頂点部分に人が乗っているデザインは、古代のトロパイオンに、木の柱にくくり付けられた鎧や盾が人型に見えたことに由来しているのではないか、という専門家の見解もあります。




つまり、一度は忘れ去られた古代の風習が、ルネサンスという文化のうねりによって蘇り、およそ2400年という途方もない時を超えて、現在もなお「勝利の象徴」として私たちの手に渡されているのが、このトロフィーなのです。


普段何気なく目にしているトロフィーに、これほど壮大な歴史が隠されていたとは驚きですね。


次にもしトロフィーを見る機会があったら、古代の戦士たちの勝利の叫びや、ルネサンス期の情熱に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?




結論


というわけで、


「トロフィーって何?」は、


「敵から奪い取った武器をくくりつけたタワー」


でした。




解説してくれたのは


名古屋大学の周藤芳幸教授。




今回も最後まで読んでくれてありがとう。
他の記事もよろしくね。


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