今回はチコちゃんに叱られる! ▽ペン型ライトの謎▽かき氷の謎▽海のニオイの謎 初回放送日:2025年8月1日を紹介。
海のニオイって何?

海のニオイって何?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、海が似合うステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「海のニオイって何?」
チコちゃんの答えは、「プランクトンのオナラ。」
プランクトンのオナラ
「海の匂い」の正体はプランクトンの「おなら」だった!?知られざる海の秘密
潮風に乗って鼻をくすぐる、あの独特の「海の匂い」。
爽やかでどこか懐かしい香りですが、その正体が、実はプランクトンの「おなら」だということをご存知でしょうか?
今回は、少し驚きながらも、海の匂いの謎を解き明かしていきたいと思います。
「海の匂い」の主成分は「DMS(ジメチルスルフィド)」
海には、私たちが普段目にすることのない無数の生き物たちが暮らしています。
その中でも、特に海の匂いの原因となっているのが、植物プランクトンです。
顕微鏡で海水を覗いてみると、1リットルの海水の中に数万から数百万匹もの植物プランクトンがうようよと漂っています。
彼らは、水中の二酸化炭素を吸って酸素を出す「光合成」を行って生きています。
その過程で、体調を整えるためにDMS(ジメチルスルフィド)という分泌物を排出します。
これは、人間でいうところの「おなら」や「排せつ物」のようなもの。
このDMSが、海辺で私たちが感じる「海の匂い」の正体なのです。
海辺で匂いを感じる2つの理由
なぜ、プランクトンが海中で出したDMSが、私たちの鼻まで届くのでしょうか?
それには、主に2つの理由があります。
直接的な分泌
海中に漂う大量の植物プランクトンがDMSを分泌し、それが海水に溶け込み、さらに空気中に拡散していきます。
これにより、私たちは直接的にDMSの匂いを感じることができます。
バクテリアの働き
DMS以外に植物プランクトンが排出する硫黄や炭素などの物質を、バクテリアなどの他の微生物が食べると、これもまたDMSを分泌します。
つまり、植物プランクトンだけでなく、海の中の微生物たちも、海の匂いを作り出しているのです。
これらの微生物たちが大量に放出するDMSが、風に乗って運ばれ、私たちの鼻に届くことで「海の匂い」として感じられる、というわけです。
季節や場所によって匂いが違うのはなぜ?
海の匂いは、季節や場所によっても強さが異なります。
季節の変化
春から夏にかけて、海の匂いが濃くなるのを感じたことはありませんか?
これは、気温が上がり、日差しが強くなるにつれて、植物プランクトンが活発になり、その数がぐっと増えるためです。
反対に、秋から冬にかけては植物プランクトンの活動が弱まるため、匂いも薄くなります。
場所による違い
ハワイや沖縄のように、海水が透明で美しい海では、植物プランクトンの数が少ないため、海の匂いは弱く感じられます。
一方で、東京湾のような濁った海では、植物プランクトンが大量に存在しているため、匂いも強く感じられる傾向にあります。
匂いがあることは悪いことじゃない!
海の匂いが強いと、「汚れているのかな?」と心配になる方もいるかもしれません。
しかし、一概にそうとは言えません。
植物プランクトンが多いということは、それを餌とする小さな生き物も増え、さらにそれを目当てに魚たちが集まってきます。
そのため、海の匂いが強い場所は、漁場として恵まれていることの証でもあるのです。
ちなみに、私たちが感じている海の匂いは、DMSが空気中でかなり薄まった状態のものです。
DMS本来の匂いは、実は相当な悪臭レベルだとか。
そう考えると、あの海の匂いは、地球規模で薄められた、心地よい香りと言えるのかもしれませんね。
川や湖では海の匂いがしないのは、淡水に住むプランクトンがあまりDMSを出さないからだそうです。
身近な自然の中にも、知らないことや面白いことがたくさんありますね。
結論
というわけで、
「海のニオイって何?」は、
「プランクトンのオナラ」
でした。
解説してくれたのは
筑波大学の大森裕子助教。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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