サイトアイコン チコちゃんに叱られる!

なんで船には名前が付いているの? 名前が無いと安全祈願が出来ないから

今回はチコちゃんに叱られる! ▽船名の謎▽なぜベルトを締める▽貴様は失礼? 初回放送日:2025年9月27日を紹介。


なんで船には名前が付いているの?




なんで船には名前が付いているの?


チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、船長さんだったらステキそうな大人ってだーれ?」


チコちゃん「なんで船には名前が付いているの?」



チコちゃんの答えは、「名前が無いと安全祈願が出来ないから。」



名前が無いと安全祈願が出来ないから


なぜ船には「名前」があるの? 乗り物から見る、奥深い歴史と慣習


私たちの身の回りには、様々な乗り物があふれています。


車にはナンバープレート、電車には列車番号、飛行機には便名といった、「識別番号」のようなものが割り振られていますよね。


これらは、乗り物を特定し、管理するために欠かせない大切なものです。


しかし、「船」だけは少し様子が違います。


船には、番号だけでなく、まるで人やペットのように一つ一つ「名前(愛称)」が付けられているのです。


この違い、考えたことはありますか?


実は、船に名前を付けることには、法律で定められたルールと、古来からの興味深い慣習が深く関わっているのです。



法律で定められた「船名」の重要性

まず、この「船に名前を付ける」という習慣は、意外にも国土交通省の省令で定められています。


国土交通省が定める小型船舶登録規則には、国籍証明書の交付を受けることに加えて、「船名を表示しなければ国際航海に従事させてはならない」と明記されています。




これは、つまりどういうことでしょうか?


日本の「領海」、つまり海岸線から12海里(約22.2km)の範囲は、日本の国土の一部として扱われます。




この領海内であれば、船名がなくても特に問題はありません。


しかし、日本の領海の外、国際的な海域へ出る全ての船は、いわば「パスポート」のようなものが必要になります。


そのパスポートに記載する情報として、「船名」が必須とされているのです。


海外で船を特定し、国籍を示すためにも、名前が必要不可欠というわけですね。



大自然への畏怖から生まれた「命名」の習慣

法律の裏側には、日本に古くから根付く伝統的な習慣も大きく影響しています。


日本における船の命名の歴史は非常に長く、最古の記録は古墳時代にまで遡ります。


奈良時代に編纂された**『日本書紀』には、4世紀ごろに名付けられた「枯野(からの)」という船の記録が残っているほどです。


この「船に名前を付ける」という習慣の根底にあるのは、「大自然に対する恐れ」だったと言われています。


昔の船乗りたちは、大雨や高波といった予測不能な厳しい自然現象によって、しばしば命を落としました。


また、海には想像を絶する恐ろしい生き物がいると信じられていた時代もありました。


彼らは、航海中の災いを避けるために、神様に安全を祈願することを習わしとしました。


しかし、船に名前がなければ、神様にお願いのしようがないですよね。





そこで、「この船を守ってください」と具体的に祈りを捧げられるように、船に名前を付けるようになった、というのが一般的な説です。


名前は、船を守る「お守り」のような役割も担っていたのですね。



日本の船名といえば「○○丸」! その由来は?

日本の船の名前といえば、「○○丸(まる)」という名付けが多いイメージがあります。


この「丸」には、どのような意味が込められているのでしょうか?


その発祥には諸説ありますが、いくつかご紹介しましょう。


昔の人の名前に使われていた「麻呂(まろ)」が「丸」に転じた説。





船をお城(本丸)に見立てて「丸」を付けた説。





「汚い」を意味する「丸」説。




この中で、特に興味深いのが「汚い」を意味する丸説です。


日本の古い言葉では、「まる」は「排泄する」という意味の動詞でした。


子どものトイレを「おまる」と呼ぶのも、この言葉が由来とされています。


古くから日本では、汚れたものには悪霊も近づかないと考えられていました。




つまり、船に「汚いもの」を意味する「まる」を付けておくことで、悪霊が船に寄ってこないようにする「魔除け」としての意味が込められていた、という考え方です。


源義経の幼名が牛若丸、伊達政宗の幼名が梵天丸であったように、子どもの名前にも「丸」が付いていたのは、この魔除けの意味が込められていたからだ、とも言われています。




さらに、明治時代の1900年に制定された船舶法には、「なるべくその末尾に丸の字を付けること」が推奨されたという歴史もあります。




これが、日本の船に「○○丸」が多い理由の一つにもなっています。


ちなみに、この「丸を付ける」という条文は、2001年に削除されています。そのため、今の船の命名は基本的に自由です。


法律、歴史、そして人々の信仰心が織りなす「船の名前」。


たった一つの名前にも、これほどまでに奥深い物語が隠されているのは、とてもロマンがありますね。



結論


というわけで、


「なんで船には名前が付いているの?」は、


「名前が無いと安全祈願が出来ないから」


でした。




解説してくれたのは


立命館大学の大形徹教授。

大形 徹(おおがた とおる、1954年7月 – )は、日本の中国哲学研究者。大阪府立大学名誉教授[1]、立命館大学教授[1]。専門は道教・神仙思想[1]。

経歴
1957年、兵庫県明石市生まれ。大阪大学文学部で中国哲学を学び、1977年に卒業。同大学大学院修士課程に進み、修士課程を修了[1]。同大学大学院博士課程に進み、1982年に課程単位を取得後満期退学した[1]。

1982年、大阪府立大学総合科学部助手に採用された[1]。1988年に専任講師[1]、1992年に助教授昇格[1]。2005年に人間社会学部教授となった[1]。2020年に大阪府立大学を定年退任し[1]、名誉教授となった。その後は立命館大学衣笠研究機構教授に就いた[1]。白川静記念東洋文字文化研究所内にある「漢字学研究会」に所属している[2]。
(HPより)




今回も最後まで読んでくれてありがとう。
他の記事もよろしくね。


過去放送日別一覧ページ



モバイルバージョンを終了