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なんでストローを使って飲むようになったの? ビールを美味しく飲むため

今回はチコちゃんに叱られる! ▽ストローの謎▽フクロウの謎▽傘マークの謎 初回放送日NHK総合テレビジョン11月21日(金)午後7:57を紹介。


なんでストローを使って飲むようになったの?




なんでストローを使って飲むようになったの?


チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、ドリンクを飲む姿がステキな大人ってだーれ?」


チコちゃん「なんでストローを使って飲むようになったの?」


チコちゃんの答えは、「ビールを美味しく飲むため。」



ビールを美味しく飲むため


5000年の歴史!「ストロー」は汚いビールから生まれた!?驚きの誕生秘話

何気なく使っているストロー。


実は、人類最初の高度な都市文明を築いた、ある民族の「知恵」から生まれたものだということをご存知ですか?


今回は、ストローがどのようにして誕生し、現代に至るまでどのように変化してきたのか、その奥深い歴史をひも解きます!



ストローの発明者はシュメール人!古代メソポタミアの高度な文明

ストローの発明者とされているのは、今から5000年以上前の古代メソポタミア文明を築いたシュメール人だと言われています。


文明の基礎:古代メソポタミア文明は、現在のイラク南部、チグリス・ユーフラテス川流域で栄えました。




革新的な技術:この文明は、楔形文字や数学、車輪、天文学、法律など、革新的な技術や文化を生み出した、人類初の高度な都市文明です。


シュメール人の特徴:目が大きく、眉毛がつながった外見が特徴的とされています。




なぜビールからストローが生まれたのか?

彼らがストローを発明した背景には、当時の「ビール」にまつわるある問題がありました。


1. ビール誕生の背景

シュメール文明では、神殿の儀式でお神酒としてワインが飲まれていました。


ブドウの希少性:しかし、ワインの原料となるブドウは、乾燥したシュメール地方ではなかなか手に入りづらい作物でした。



大麦への着目:そこで彼らは、身近な作物である大麦に着目し、これでお酒を造り始めました。これがビールの始まりです。



2. 当時ならではの「汚いビール」

当時のビールの製法は、現代のものとは大きく異なりました。


製法:大麦の麦芽で作ったパン「バッピル」と麦芽のおかゆのような「マッシュ」を水と混ぜて麦汁を作り、




ハチミツやワインを加えて発酵させるというものでした。



味:現在のビールよりも甘く、アルコール度数も低かったと考えられています。


問題点:こうしてできたビールを大きなツボや瓶に入れると、表面には大麦の殻(もみ殻)が大量に浮いてしまうという問題がありました。




さらに、保存技術が未熟だったため、ビールの水分や匂いにつられて多くの虫が集まってきます。


当時のビールは、虫や大麦の殻などの不純物が大量に浮かぶ「ゴミだらけ」の状態が普通だったのです。



3. 解決策としての「麦のワラ」

「これではビールを楽しめない!」

そこでシュメール人が目を付けたのが、ビールの原料にもなった麦のワラや、アシのような中が空洞になっている植物の茎でした。




細い管:大麦の茎の直径は約4mmと細いものが多く、これを使えば、水面近くに浮いている虫やゴミを避けて、底にある澄んだビールだけを飲むことができることに気づいたのです。




ストローの誕生:こうして、自然の植物の茎を使った「ストロー」が使い始められました。これがストロー誕生の物語です。



権威の象徴にもなった古代のマイストロー

ストロー(straw)という英単語は、もともと「麦のワラ」という意味があります。


この誕生エピソードが、そのまま語源になったと言われているのは面白いですね。


遺跡の記録:シュメール人たちが残した古代都市遺跡ウルからは、ストローを使ってビールを飲む様子が描かれた絵も発見されています。




豪華なマイストロー:さらに驚くことに、紀元前2600年ごろのウルの女王の墓からは、長さ約95cm、直径約1cmの豪華なストローが発掘されています。




これは銅製の管に金箔や青色のラピスラズリが装飾として施されたものでした。


特権階級の人々は、自分だけの特別な「マイストロー」を持っていたことがわかります。


その後、メソポタミアの主要都市では、庶民も居酒屋でストローを使ってビールを楽しむ文化が広がったそうです。



時代とともに変化するストローの役割

ストローは誕生から長い歴史の中で、一時姿を消したり、再び注目されたりしながら、その役割を変えてきました。


1. 一時的な衰退

ろ過技術の発達:時代が経ち、不純物をフィルターでろ過する技術が発達してくると、ビール用のストローは必要なくなり、長く使われない時代が続きました。


2. ストローの復活
12世紀ヨーロッパ:カトリック教会の儀式で、ワインをこぼさないようにストローが使われたという記録が登場し、ストローは再び注目されます。


20世紀アメリカ:1920年代、アメリカで赤い口紅が大流行しました。ビンやコップに口紅の跡がつくのを嫌った女性たちを中心に、ストローが再び広く使われるようになりました。




機能性の追求:さらに、20世紀中ごろに氷入りの飲み物が普及すると、「氷が口に入らずに飲める」という機能的な理由から、ストローはより広く普及していきました。




3. 現代の進化
古代シュメール人が「口に入れたくない物を避ける」という目的で生み出したストローは、20世紀中ごろにその発想が復活し、広く定着しました。


その一方で、タピオカドリンクのように、「タピオカという固形物を吸う」ために使われるなど、ストローは誕生の経緯とは異なる進化も遂げています。


古代の知恵から生まれたストローが、形を変え、役割を変えながら現代の私たちの生活に溶け込んでいるのは、とても興味深いですね。




結論


というわけで、


「なんでストローを使って飲むようになったの?」は、


「ビールを美味しく飲むため」


でした。




解説してくれたのは


メソポタミア考古学教育研究所の小泉龍人代表


現代社会は都市を中心として展開し、そこには豊かな暮らしへの期待を抱いて多くの人々が集まるだけでなく、価値観の相違から対立が起き、さまざまな社会的な格差も生まれています。 こうした都市特有の課題は現代に限らず、人類史において古くから在ったことが近年の研究により指摘されています。 その歴史の流れのひとつをさかのぼると、メソポタミアにたどり着きます。

メソポタミアは、世界最古の都市文明が生まれた地であり、現代都市文明の礎となる多様な発明や革新をもたらしました。 メソポタミアの核となる都市では、多くの人々が互いの価値観の対立を回避する工夫をして共存しながら、なおさまざまな格差も同居していました。 メソポタミアの都市の探究は、人類史における都市や文明の起源の解明だけでなく、都市を中心にした現代社会の多様な問題の解決に貢献し、現代社会の未来への提言にもつながると期待されます。

メソポタミア都市文明を探究するためには、長期的な展望をもって現地の遺跡を考古学的に調査する必要があります。 現地のイラク共和国は、最近まで行きにくい国としてとらえられてきました。 しかし、ここ数年、南イラクの治安が急速に回復し、諸外国隊が調査を再開している様子が明らかになってきました。 現地からの要請に応える形で教育・研究支援を進めるとともに、邦人によりメソポタミア都市文明を解明するという国際的な貢献の好機が到来しています。

一方、多くの日本人の意識のなかで、現代イラクと文明発祥地のメソポタミアが地理的、歴史的に結びついていません。 メソポタミアの関心度は高いものの、戦乱の続くイラクは単に危険な国としてまるで別の世界であるかのように見られがちです。 この意識のずれは、古代と現代をつなぐ効果的な歴史教育の欠如に起因しています。 その解決のためには、メソポタミア文明と現代イラクの地理的、歴史的なつながりを教育の場で広く認知させる普及活動が求められています。

四半世紀以上、本法人の設立代表者の主宰する任意団体「西アジア考古学勉強会」は、メソポタミア周辺の考古学に関する議論の場を継続してきました。 本法人は、その功績を踏まえ、当勉強会と協力しつつ、日本の若い世代への歴史教育のあり方を探求し、その成果の普及に努めます。 また、イラクとは、「草の根」的な文化交流を促進し、考古学研究も協同します。 こうして現代社会の問題解決に寄与していく所存です。

以上の理念を実行すべく、分野や立場を越えた理解や支援、国内外の諸機関との連携を得て、収益を目的としない独自の市民参加型組織を目指すことにしました。 よって、ここにメソポタミア周辺の考古学および関連分野の研究成果の普及、次世代への教育、日本とイラクの学術・文化交流の促進を目的とした特定非営利活動法人を設立します。

2018年 7月21日

法人の名称 特定非営利活動法人 メソポタミア考古学教育研究所

設立代表者 小泉 龍人
(HPより)




今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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