今回は、2018年10月19日金曜日放送、「チコちゃんに叱られる!」のお話。
カメは長生き?
確かに「鶴は千年亀は万年」っていいますよね。
なぜ、カメは長生きなんだろう?
カメは長生き?
この日の2問目。
チコちゃん「年齢的に健康に気をつけてそうなヤンチャな大人ってだーれ?」ということで、泉谷さんが回答者。
岡村さん「泉谷さんもそろそろじゃないですか?しっかりと。」
泉谷さん「嫌でもね、健康に気を付けないとね。」
チコちゃん「70だっけ?」
泉谷さん「70ですから。50の時にもう感じましたね。」
チコちゃん「それでさぁ、あなたさぁ。あと何年ぐらい生きたいの?」
チコちゃん「しげるちゃんさぁ。長生きする生き物っていえば何?」
考え込む泉谷さん。
泉谷さん「カバ?」
岡村さん「カメ」
泉谷さん「カメか」
チコちゃん「なんでカメは長生きなの?」
泉谷さん「だから甲羅が硬いって事は、相当長く生きてないとあんなに硬くならないんじゃないかな。」
チコちゃん「硬い、イコール長生きでOK?」
岡村さん「ううん。違う、違いますよね?そうじゃなくて?」
泉谷さん「かめばかむほどとかさぁ・・」
というわけで、叱られちゃいました。
岡村さん「歩くスピードと同じ位生きる」
岡村さん「そういうような説もあったりなんかして?」
チコちゃん「チコりかけてますよぉ~。」
結局は正解にいたらず、VTRへ。
公園の池などで見かけるミドリガメの寿命は50年以上。
ヒョウモンリクガメは寿命100年以上。
ガラパゴスゾウガメになると寿命は170年以上。
やっぱり、カメは長生きだね!
心拍数が少ないから。
解説してくれたのは、愛知学泉大学の矢部隆教授。
カメ研究一筋35年。
大学内でカメハウスという飼育施設を管理しているとのこと。
そこには350匹のカメが。
ブタバナガメやチリメンナガクビガメを紹介してくれました。
教授によるとカメの寿命が長い理由は端的に言って「心拍数がとても少ないから」。
心拍数とは1分間に心臓が動く回数。
心拍数が多い生き物=寿命が短い
心拍数が少ない生き物=寿命が長い
という傾向が。
なぜ心拍数が少ないと寿命が長くなる?
心拍数が少ないと代謝のスピードが抑制。
この場合、過剰な活性酸素が発生しないために老化も緩やかに。
あらゆる生物は呼吸によって取り込んだ酸素の一部と食べた物を化学反応させる事でエネルギーを取得。
このエネルギーを作る一連の流れが「代謝」。
代謝に使われず、余った酸素は物質を酸化させる力がより強い活性酸素に変化。
活性酸素にはガン細胞やウイルスを攻撃する免疫作用があります。
しかし、多すぎると正常な細胞まで攻撃してしまうために老化や病気の原因にもなるそう。
心拍数が多いと呼吸数も多くなるために体に取り込む酸素量は増加。
すると発生する活性酸素の量も増え、老化や病気の原因で寿命は短くなる傾向に。
動物園で様々な動物の心拍数を測定
栃木県にある宇都宮動物園。
動物たちの心拍数を測定します。
聴診器の先にスピーカーが着けられている拡大心音計を使用。
人間の心拍数は1分間に60回~70回。
まずは動物園の中で一番小さなハムスター。
ハムスターの寿命は2年~3年。
心拍数は428回。
次は寿命が8年~10年のウサギ。
心拍数は246回。
続いては寿命は15年~18年のヤギ。
心拍数は86回。
最後は寿命が20年~40年の馬。
馬の心拍数は36回。
ではカメは?
教授の家族、ケヅメリクガメのケヅーくん。
寿命は100歳を超えるような個体もある長生きのカメ。
心臓に近い位置に測定器を付けてみますが、甲羅が分厚く測定不能。
愛知県・豊田市にある動物愛護センターで心電図を使ってカメの心拍数を測定。
測定してみると、心拍数は「8」。
その後も反応しなくなったり、急に動き出したりと不整な鼓動。
なぜカメはこんなに心拍数が少ないのか?
「甲羅に身を隠す動物だから」。
実は甲羅に身を隠す時に、カメは肺の空気を全て外に出して身を引っ込めるそう。
肺の空気を抜いて出来たスペースに手足や首を折り畳んで収納。
このほぼ無呼吸の状態でしばらく過ごすことが出来るので心拍数も少ないとのこと。
結論
というわけで、
「カメは長生き?」は、
「心拍数が少ないから。」
でした。
教授「カメはボーッとしてるから長生きなのかもしれないよ?」
チコちゃん「まあそう言われちゃったら、首を引っ込めるしかないわね。」
塚原アナから補足
人間の心拍数は60回~70回と馬の心拍数36回よりも心拍数が多いのに、寿命では反対に人間が長生きする理由について。
一般的に哺乳類全般の一生分の心拍数は約8億回。
これを人間に当てはめると人間の25.4歳。
縄文時代の人の寿命は約30歳とのことで、その後食生活や医学の進歩で寿命が伸びたと考えられているとのこと。
(注)心拍数と寿命の関係は未解明な部分も多いとのこと。
解説してくれたのは
解説してくれたのは、愛知学泉大学の矢部隆教授。
矢部隆教授
矢部 隆 教授
やべ・たかし Yabe Takashi
<プロフィール>
専 門:
カメ学(爬虫類学)、生態学、行動学、保全生物学
担当科目:
生物学、地域環境論、生態学、
コミュニティ運営実習、専門演習、卒業研究
E-mail:yabe%gakusen.ac.jp (%を@に変換してください)
最近の研究テーマ:
・日本産淡水生カメ類(ニホンイシガメ、クサガメ、ヤエヤマイシガメ)の
個体群生態学、生活史の進化の解明
・在来のカメ類の保全生物学
・外来のカメ(ミシシッピアカミミガメなど)の自然環境への影響
・水田生態系におけるカメ類の働き(除草、除虫など)
・遺跡から出土するカメ類の遺体の評価と古環境の復元
・ため池生態系でカメが担っている役割
(大学HPより)
愛知学泉大学(あいちがくせんだいがく、英語: Aichi Gakusen University)は、愛知県岡崎市舳越町上川成28に本部を置く日本の私立大学である。
1966年に設置された。
大学の略称は愛学(あいがく) 愛学大(あいがくだい) 学泉大(がくせんだい) AGU。
大学としての出発は女子大であったが、現在は家政学部を含め男女共学である。
中部地方では、家政学部を男女共学にしたのはこの大学が最初であった。
現在、日本で唯一、男女共学の家政学部がある大学である。
(Wikipediaより)
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