今回は、2020年12月4日金 チコちゃんに叱られる!「▽おじぎの謎▽お経の秘密▽タイヤが止まる?」の番組内容を紹介。
お経ってなに?
改めて聞かれても、答えられないですね。
死んだ人を祭るため?
お経ってなに?
本日の3つめ目の話題。
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、仏のように優しい大人ってだーれ?」
今日は、まだ先発していない岡村さんが回答者に。
仏さんからお経の話題に。
チコちゃん「お経ってなに?」
岡村さん「亡くなった方、天国にいる方へのご挨拶です。」
チコちゃん「失礼ね!あなた!ボーっと生きてんじゃねーよ!」
つづいて、あばれる君に質問。
すると、正解マークとピヨピヨ音。
チコリました!
というわけで、チコちゃんの答えは、「お経は生きている人たちに向けたお釈迦様のアドバイス」
お経は生きている人たちに向けたお釈迦様のアドバイス
解説してくれたのは、花園大学の佐々木閑教授。
お経は決して亡くなった方のためのものではなく、周りで聴いている生きている人たちのためのもの。
「美しい仏の世界」や「未来の予言」などが含まれている場合もあります。
しかし、その内容は主にお釈迦様からの生き方についてのアドバイス。
そもそもお経は?
紀元前5世紀ごろにインドで最初に誕生したといわれています。
そのお経の元になる教えを説いたのはブッダとも呼ばれているお釈迦様。
お釈迦様は裕福な家庭の子どもでした。
生まれてから一週間で母と死別。
その後どんな人にも必ず老いや病気や死が訪れるという世の中の現実を見て苦悩するように。
そして29歳の時に家を出て、精神修行を始めました。
お釈迦様は断食などの様々な苦行や深い瞑想修行。
そして、35歳の時に菩提樹という木の下で悟りの境地に。
どんな悟りを開いた?
悟りの表現によって色々あるものの、代表的なものが「三法印(さんぽういん)」。
三法印とは、
諸行無常 (しょぎょうむじょう)
諸法無我 (しょほうむが)
涅槃寂静 (ねはんじゃくじょう)
の3つの教えの事。
諸行無常は、この世の全てのモノは変化し壊れていくという意味。
諸法無我は、自分中心にモノを考えてはならないという意味。
涅槃寂静は、欲望や憎しみなどの自分勝手な思い込みを無くすことで苦しみが消えて楽になれるという意味。
佐々木先生「三法印というのは決して私たちがこの世で安楽で、comfortable(快適)なdeluxe(豪華)な生活が出来るようになりますよと言っているんじゃないんです。」
チコちゃん「ものすごい横文字で。」
「より良い」生活をひたすら追い求めるという気持ちを捨てるだけで楽に生きられますよというのが三法印の軸になる考え。
お釈迦様は80歳で亡くなりました。
生前残していた教えを後で弟子たちが文字にしてまとめたものがお経。
仏教は生まれてから約2500年経つという歴史があります。
後の弟子たちが時代や社会のニーズに合わせて書き換えたり、違う解釈を加えたりしながら様々なお経のバリエーションが誕生。
そのうちどのお経を拠り所にするかによって色んなグループに細分化。
それが現在の日本でいう所の浄土宗、日蓮宗、真言宗などの宗派。
そのうち非常に人気の高いお経として佐々木先生が挙げたのが、誰でも聞いた事がある般若心経 (はんにゃしんぎょう)。
般若心経は大般若経という600巻に及ぶ経典を1巻262文字に要約したお経。
※宗派によって文字の数え方は異なります
般若心経の現代語訳
駒澤大学の大澤邦由専任講師に般若心経を実際に読んでもらってその現代語訳を簡単に紹介。
訳
仏になるための最高の智慧について説明するお経。
観音様は智慧を身につけるためにすごい修行をしました。
そして、私たちを形づくる全ての要素が、
実は実体のない、仮のものだと見抜いたのです。
それによって全ての苦しみを消す事が出来ました。
物質は実体のないものです。
実体のないものが物質です。
さらに様々な心の働きも全て実体のないものです。
この世の全てのものは実体がないのですから、
生まれたり消えたり、汚れたりきれいになったり、
増えたり減ったりすることもありません。
つまり実体がないという状態は、物質や感覚などの認識が無いこと。
目・耳・鼻などや、色・音・香・味など、私たちが認識している世界は全て空であり実体がない。
さらに、愚かさもなく、その愚かさがなくなることもない。
老いも死もなく、老いと死がなくなることもない。
苦しみにも、その原因にも、原因を消すための方法にも実体がない。
悟りの智慧にも、悟りにも実体がない。
それゆえ、最高の智慧を完成させてブッダを目指す者は、心に何の妨げもない。
何の妨げもないので、恐れがなく、誤った考えから遠く離れており、ねはんに入れるのである。
過去・現在・未来において、悟りを開いた者は、智慧を完成させてことによって、本当の悟りを得るのである。
この教えを、誰でも覚えられる短いフレーズにしたものがある。
それは、絶対間違いのない、この世で最高の言葉である。
それを唱えるとすべての苦しみが消える。
おお、悟りの世界に行った者たちよ。
君たちの悟りの境地に幸あれ。
以上。
最後は激励で締めくくられるこの般若心経。
般若心経の軸になるのは実体がない「空(くう)」という考え方。
思い悩むことがあっても何事にも執着せず、囚われずに生きていこうというアドバイス。
結論
というわけで、
「お経ってなに?」は、
「お経は生きている人たちに向けたお釈迦様のアドバイス」
でした。
補足
「お経は生きている私たちに向けて唱えているものなのに、なぜ仏壇を向いてお経をあげるのか?」については、「念仏やお題目など仏様に向けて唱える言葉もあるので、お坊さんは仏壇の方を向いている。」とのこと。
解説してくれたのは
花園大学の佐々木閑教授。
教授
佐々木 閑 SASAKI Shizuka
性別 男
文学部 仏教学科
専門分野
仏教哲学
古代インド仏教学
仏教史
研究領域・テーマ
アビダルマ哲学の歴史的研究
インド仏教僧団における戒律の研究
大乗仏教の成立史
科学と仏教の関係性の研究
略歴
1956年 福井県生まれ
1979年3月 京都大学工学部卒業
1982年3月 京都大学文学部卒業
1984年3月 京都大学大学院文学研究科修士課程修了
1987年3月 京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学
1988年9月 米国カリフォルニア大学バークレー校、南及び東南アジア言語学科Ph. D.コースに入学
1990年4月 花園大学文学部専任講師
1992年10月 花園大学文学部助教授
2002年4月 花園大学文学部教授(現在に至る)
2017年4月 花園大学図書館長(現在に至る)
2018年9月 花園大学文学部長(現在に至る)
学位
仏教大学 博士(文学)1999年3月
京都大学 修士(文学)1984年3月
京都大学 学士(文学)1982年3月
京都大学 学士(工学)1979年3月
所属学会
日本印度学仏教学会 (理事)
日本仏教学会
パーリ学仏教文化学会 (理事)
International Association of Buddhist Studies
禅学研究会
受賞歴
1992年 日本印度学仏教学会賞受賞
2003年 鈴木学術財団特別賞受賞
(大学HPより)
花園大学(はなぞのだいがく、英語: Hanazono University)は、京都府京都市中京区西ノ京壺ノ内町に本部を置く日本の私立大学である。1949年に設置された。大学の略称は花大 、花園大。
概要
禅の研究に特に力を注ぐ臨済宗立の仏教系大学である。
創立は明治5年(1872年)に妙心寺が学寮・般若林を設立したのが始まりであり、以降、臨済宗の禅を中心とした教育・研究を続け、文学部・社会福祉学部を擁する文系大学として今日にまで発展した。
最近では花園大学国際禅学研究所で世界をリードする禅研究を始め、文学部では夏目房之介、玄侑宗久、花村萬月を、社会福祉学部では水谷修を客員教授に迎えるなど、外に向かって積極的な教育を行っている。
特徴
建学の精神である「己事究明」を中心に、禅的人間教育を行っている。
経営母体の学校法人花園学園は臨済宗妙心寺派の創設で、同学園理事長は妙心寺派宗務総長の兼務。宗門立の大学のため、これまで学長は各僧堂の師家が交代で務めていたが、2015年にこの規定をはずした。
2014年、全学カリキュラム「CDC(Career Development Center)」を「基礎教育科目」へ名称変更するとともに、アカデミックスキル、コミュニケーションスキル、キャリア教育などに力を入れている。
(Wikipediaより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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