今回はチコちゃんに叱られる! ▽歯ブラシの謎▽ひょんの謎▽紫テープの謎 初回放送日NHK総合テレビジョン7月17日(金)を紹介。
ひょんなことの「ひょん」って何なの?
ひょんなことの「ひょん」って何なの?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、日本語が大好きなステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「ひょんなことの「ひょん」って何なの?」
チコちゃんの答えは、「ひょんの実」
ひょんの実
こんにちは!日常会話で「ひょんなことから、彼と仲良くなって……」なんて言葉を自然に使っていませんか?
「思いがけないこと」「意外なきっかけ」という意味で便利な言葉ですよね。
でも、よく考えるとこの「ひょん」って一体何のことなのでしょう?
そんな謎について、テレビ番組で国語辞典の元編集長・神永曉さんがとっても面白い由来を解説してくれました!
今回はその内容をたっぷり引用しながら、言葉の裏に隠された意外な歴史をご紹介します。
そもそも「ひょんなこと」ってどんな意味?
日本国語大辞典によると、「ひょんな」という言葉には以下のような解説があります。
「予期に反して不都合なこと、異様なことについていう。思いがけない。意外な。また、妙な。」
今ではラッキーな偶然にも使われますが、もともとは「予想外の奇妙なこと」に対して使われていた言葉なのですね。
チコちゃんの番組での答えはズバリ、「ひょんの実」でした!
実は、この言葉の由来には大きく分けて「2つの有力な説」が存在します。順番にのぞいてみましょう。
【説1】「凶」の中国語読みからきた説
1つ目は、不吉や不運であることを意味する「凶」という漢字が由来という説です。
この「凶」を中国語で読むと、発音が「ヒョン」になります。
そのため、何か良くないことや不吉なことが起きたときに「ヒョン」という言葉が使われるようになった、というお話です。
しかし、現代の私たちが「ひょんなことから幸運に恵まれた!」という風に、ラッキーな出来事に対してもこの言葉を使うことを考えると、「凶(バッドニュース)」だけが由来とするには少し説得力が弱い、と神永先生は指摘します。
そこで登場するのが、もう1つの大本命である「ひょんの実説」です!
【説2】植物の奇妙な現象!「ひょんの実」説
「ひょんの実」とは、主に西日本(または東日本の一部地域)に自生している「イスノキ」という木にできる実のことです。
秋になると本格的に成長して、とても硬い実になります。
しかし実はこれ、植物が自ら実らせた本当の「木の実」ではないのです。
その正体は、なんと虫が作った住まい(食料)!
一般的には「虫こぶ」という名称で呼ばれているものです。
虫と植物の不思議な攻防戦
多くの植物は、天敵の虫から身を守るために体内で「毒」を作ります。
しかし、イスノキの毒は、ダニやアブラムシといった特定の虫にはまったく効果がありません。
簡単に寄生されてしまうという弱点があります。
虫たちに寄生されると、虫が放出する「植物を成長させるホルモン」のせいで、イスノキの葉や芽が異常な細胞分裂を起こしてしまいます。
こうして出来上がるのが、あのポコッとした「こぶ」なのです。
虫はそのこぶの中で安全に育ちます。
そして秋になると、こぶにポッカリと穴を開けて外の世界へ旅立っていきます。
こうして役割を終え、枝に残された得体の知れない抜け殻こそが「ひょんの実」の正体です。
突然鳴り響く音への驚きが言葉になった!
では、なぜこの虫こぶが「ひょんなこと」に繋がるのでしょうか?
実は、虫が旅立ったあとに残された「ひょんの実」の穴に風が当たると、「ひょ〜、ひょ〜」と不思議な音を発します。
この音から、イスノキはいつしか「ヒョーノキ」⇒「ヒョンノキ」と呼ばれるようになり、その虫こぶが「ひょんの実」と呼ばれるようになりました。
この実が変わった形をしていて、風が吹くと「突然どこからともなく奇妙な音を出す」という様子が、当時の人々にとって非常に意外で、異様に感じられたそうです。
この「思いがけない奇妙さ」から、「ひょんなこと」という表現が生まれました。
実際、江戸時代の言葉をまとめた古い文献『かたこと』にも、ひょんの実の得体の知れない様子からこの言葉が生まれた、とはっきりと書き残されています。
江戸時代に大流行した「ひょん笛」
この「ひょんの実」ですが、江戸時代には中を綺麗にして口で吹く「ひょん笛(ひょんの笛)」という楽器として、子どもたちの間で全国的に大流行しました。天然のホイッスルのようなものです。
イスノキ自体は、主に温暖な西日本に多く生える木です。
しかし、このひょん笛がおもちゃとして全国へ流通したことで、イスノキがあまり生えていない東日本の人々の間にも「ひょん」という言葉がしっかりと定着していきました。
普段私たちが何気なく口にしている言葉のルーツが、まさか「虫が作ったラッパのようなこぶ」だったなんて、それこそ本当に「ひょんな事実」で驚いてしまいますね!
まとめ:「思いがけない奇妙さ」を楽しもう!
旅先や散歩の途中で、もしイスノキを見かけることがあれば、ぜひ枝先を探してみてください。
小さな虫たちが残していった、不思議な「ひょんの実」が見つかるかもしれません。
次に「ひょんなことから……」という言葉を使うときは、風に吹かれて「ひょ〜」と妙な音を鳴らしていた、江戸時代のはるか昔の光景を思い浮かべてみてくださいね!
結論
というわけで、
「ひょんなことの「ひょん」って何なの?」は、
「ひょんの実」
でした。
解説してくれたのは
国語辞典の元編集長・神永曉さん。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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