今回は、2020年7月31日金曜日放送、チコちゃんに叱られる!「▽牛肉と豚肉どっち?▽マリモのなぞ」の番組内容を紹介。
マリモはなんで丸いの?
マリモといえば、北海道の阿寒湖ですね。
でも、なぜ丸い?
マリモはなんで丸いの?
本日の2つめ目の話題。
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、湖が似合うステキな大人ってだーれ?」
岡村さんの指名で、中川さんが回答者に。
マリモの話題。
チコちゃん「マリモはなんで丸いの?」
中川さん「丸くなると直径が大きくなって防御力が上がるから。」
正解にいたらず、叱られちゃいました。
チコちゃんの答えは、「嵐に乗じて湖を制覇するため。」
嵐に乗じて湖を制覇するため
解説してくれたのは、釧路国際ウェットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室の若菜勇室長。
マリモは丸い姿がよく知られています。
マリモを切ってみると、繊維状の藻がぎっしり詰まっています。
この繊維状の藻の一本一本がマリモ。
そのため、マリモの中でも丸くないものも存在しています。
水中を漂う浮遊型マリモ。
岩に張り付く着生型マリモ。
このように、いろいろなタイプが存在。
マリモは、日本中の湖に生息しており、そのほとんどが丸くありません。
なぜ、マリモ=丸いという認識が?
世界最大のマリモの群生地、北海道の阿寒湖に生息する丸いマリモが有名だから。
直径30cm以上もある大型マリモもたくさん存在している阿寒湖は世界でも唯一の地。
1897年に、阿寒湖で日本で初めてマリモが発見。
そのマリモが丸かったので丸い藻という意味で「毬藻(まりも)」と命名。
阿寒湖の丸いマリモには、3つの要素が
遠浅の湾
阿寒湖は激しい火山活動の結果、他の湖に比べて入り組んだ地形。
そこに川からの土砂が流入する事で遠浅の地形が誕生。
マリモは植物なので成長には太陽光が不可欠。
水深の浅い位置の方が光が届きやすいのでマリモが大きく成長しやすい。
若菜さんが以前に出演したNHKスペシャルからの映像。
NHKスペシャル「神秘の球体マリモ~北海道阿寒湖の奇跡~」から。
強い風
阿寒湖では日の長い夏場に湖の南から北にかけて強い風が吹きます。
この風と遠浅の湾が生み出す絶妙な波によって、マリモが丸くなるために不可欠な回転運動が発生。
マリモの動きを固定カメラで撮影した映像。
マリモが、波の力で回転している姿が。
波によってクルクルと回るマリモ。
風、浅い水深が影響し、マリモが回転し丸くなる波を生みます。
回転する事で全体に太陽光を浴びて、まんべんなく丸く成長。
水草
阿寒湖の湖底には、マリモ以外の生物も生息。
中でも水草はマリモの天敵。
水草は、マリモよりも背が高いので太陽の光をさえぎります。
これでは、マリモは成長することができません。
また、水草が増えると、丸くなるのに不可欠な回転運動も出来なくなります。
マリモにとって良いことは、阿寒湖には台風のような大きな嵐が数年に一度やってくること。
水草は、湖底に根を張って生息。
すると、嵐による強い波で、水草は根こそぎ取れて流され、湖岸に打ちあげられてしまいます。
その一方でマリモは根を張らずに丸い状態で生息。
多少、波に流されても生き残ります。
このようにして数年に一度の周期でやって来る嵐を利用して水草に対抗。
マリモの丸さにより、嵐に乗じて湖を制覇。
しかし、さらに嵐の勢力がさらに強くなってしまうと、マリモもバラバラに。
でも、バラバラになる事で浅瀬でも流されずに生き残る事が出来ます。
嵐が過ぎ去るとそこからまた回転運動を再開。
バラバラになったマリモがやがてまた丸く成長。
壊れては再生するという輪廻と回転して成長する丸いマリモ。
結論
というわけで、
「マリモはなんで丸いの?」は、
「嵐に乗じて湖を制覇するため」
でした。
補足
阿寒湖以外でも丸いマリモは生息しているとのこと。
解説してくれたのは
釧路国際ウェットランドセンター 阿寒湖沼群・マリモ研究室の若菜勇室長。
若菜 勇(Isamu Wakana)
釧路国際ウェットランドセンター阿寒湖沼群・マリモ研究室室長。北海道大学大学院地球環境科学研究院客員教授。理学博士。地元では,「マリモ博士」とよばれています。阿寒湖をはじめ,アイスランドのミーヴァトン湖など世界各地のマリモ湖沼を踏査して神秘の生物・マリモの生態解明と普及・保全活動を進める一方,阿寒地域の自然誌の解明にも取り組んでいます。
1998年:北海道新聞学術文化研究奨励金(北のみらい奨励賞),2013年:秋山記念生命科学振興財団・秋山財団賞,2015年:日本植物学会賞・特別賞(教育),2016年:北海道新聞文化賞(学術部門),2017年:「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰(調査・学術研究部門)
出身地
岩手県
居住地
北海道
(HPより)
釧路国際ウェットランドセンター(KIWC)とは
釧路国際ウェットランドセンターは、湿地の自然を守りつつ、その恵みを人の暮らしにいかす「湿地のワイズユース」の考え方とその具体的な方法を広めるため、地元釧路を中心に活動を行っている団体です。
1993年に釧路市内で開かれたラムサール条約第5回締約国会議をきっかけに設立されました。
施設を持たないネットワーク
釧路地域には、釧路湿原をはじめとする4つのラムサール条約登録湿地(国際的に重要な湿地)があります。釧路国際ウェットランドセンターは、これらの登録湿地にかかわる地方自治体・国の機関や地域の大学、湿地保全関係のNGOや専門家などで構成されたネットワークです。
事務局は釧路市役所内にあり、さまざまな機関・施設と連携して活動を行っています。
釧路から世界へ
釧路でのラムサール会議では、地域の豊かな自然と、湿地保全に対する地元の人達の積極的な活動が、世界各国からの参加者の注目を集めました。釧路での取り組みを世界各国の湿地でいかしてもらうため、途上国を対象とした研修やワークショップなどを毎年行っています。
また、オーストラリアの姉妹湿地をはじめ、海外各国の湿地関係者や団体と積極的に交流し、保全と利用に関する情報の発信・交換につとめています。
(HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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