NHK番組「チコちゃんに叱られる!」の放送内容を詳しく紹介!

チコちゃんに叱られる!

チコちゃんクイズ

空中に物を投げる(胴上げ)理由は悪いものを取り払う!由来は異常な状態の人をシラフにするため!

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今回は、2018年4月13日放送、第1回「チコちゃんに叱られる!」の1つ目のお話。


「どうして胴上げするの?」だよ!




高校や大学に合格した時や、野球などのスポーツで優勝した時に、監督を胴上げするよね。

うれしいからではないのかな?

胴上げって、なんか楽しそうな感じがするし、おめでたい感じもするし。

でも、なんでって言われても、まったくわかんないや!


なぜお祝いをする時に胴上げをするのか?



チコちゃんの質問は、「野球に詳しい人はだあれ?」


ということで、佐藤健さんが回答者。


「喜びを表現するため?」


などなどいろいろ答えはありましたが、最終的にはチコちゃんに叱られちゃったね。


チコちゃんの答えは、「異常な状態の人をシラフにするため」だったよ!


どういうことなんだろう?


民俗学的には空中に物を投げるのは悪いものを取り払うという意味


解説は、民俗学の視点から日本の文化を解き明かす専門家、新谷尚紀教授。

以前の特番で、「おさい銭の由来」について教えてくれた先生だったよ。


民俗学的には空中に物を投げるのは悪いものを取り払うという意味があるんだって。

モミの選別するときは、ざるを使ってモミを上に振り上げ、中の詰まっていない軽い実(悪い実)を風で飛ばすことで選別していたんだ。

やがて「空中に物を上げることで、悪いものが取り払われる」という意味合いを持つようになったんだって。


そのころから悪いものを取り払うために、胴上げが始まったんだ。


大晦日の大掃除で胴上げ


この時代には「汚れ=悪いもの」という考え方だったんだね。

だから、大掃除で汚れた人は、一年の悪いものを全て持った人とされたんだ。

そこで、胴上げをすることで悪いものを取り払って、新年を迎えられるようにしていたんだね。

東都歳時記(1838年)と言う文献には、江戸時代後期の町の人たちの様子が描かれていて、大晦日の大掃除で胴上げをしている様子がのこされているんだって。



とうとさいじき【東都歳事記】
近世後期における江戸および近郊の年中行事を月順に配列し,略説した板本。
斎藤月岑(げつしん)編。
長谷川雪旦・雪堤父子の挿絵入り。
半紙本5冊。
1838年(天保9)江戸の須原屋茂兵衛,同伊八刊。
後編を予定していたが未刊に終わった。
1829年(文政12)の第3清書本が残っているが,30年ころ刊行を期していたらしく,のち加筆を進めた。
《増補江戸年中行事》(中本1冊,絵入り,1803初板)を基本資料としており,近世末の最も詳しい年中行事の文献である。
(コトバンクより)



この胴上げ悪いものを取り除くというのは、現在でも全国に残っているんだって。


新潟県糸魚川市「裸胴上げ祭り」


新潟県糸魚川市では毎年1月に厄落としのために、厄年の人を胴上げをする風習「裸胴上げ祭り」があるよ。


(いといがわベースWebより)

裸胴上げ祭り
毎年1月17日に能生地域「藤崎観音堂」で行われる小正月行事です。
身を清め六尺ふんどしをしめた裸の若衆が、その年の厄年の人をつかまえて「サッシャゲ、サッシャゲ」のかけ声とともに堂内を歩き、天井に向かって放り上げる奇祭です。
天井板を破るほどの勢いで放り上げられることもあり、冬の寒さをものともしない熱気と歓声が沸きあがります。

開催日 毎年1月17日 19:30頃〜
会場 藤崎観音堂(新潟県糸魚川市藤崎)
アクセス えちごトキめき鉄道能生駅から徒歩10分
北陸自動車道「能生IC」から車で8分
お問い合わせ 糸魚川市文化振興課 電話 025-552-1511
(いといがわベースWebより)



福井県鯖江市「殿上まいり」


福井県鯖江市では毎年2月に厄落としとして胴上げ、最後は雪の中に放り投げられる「殿上まいり」が行われているんだ!


(鯖江市Webより)

殿上まいり
指定 《市指定》 平成18年3月31日 
所在地 鯖江市尾花町 
管理者 尾花町
   
殿上まいり 
 毎年2月の第1日曜日に、尾花町の禅定神社で行われる厄払い行事。400年前から一度も途絶えることのない行事といわれ、現在でも積雪・天候に関係なく行われている。
 当日は、当番役が寄進された御神酒や餅などを背負い、「笠掛松」「一本杉」と呼ばれる御神木を経由し禅定山(標高670m)頂付近の同神社まで登る。ご神木や神社では注連縄の張替え等を行い、神社参拝を終えた人から焚火を囲んで昼食を取る。
 この後、厄払い行事は突然「わっしょい、わっしょい」という掛け声のもと始まる。当番役と厄年の人が入り乱れて押し合い、組み合いが始まり、厄年の人たちが5~6m下の雪中へ次々と豪快に放り出される。放り出された人には御神酒が振る舞われ、その後の餅まきとともに、この一年の無病息災を祈る。
厄年の人を投げることによって厄を追い払うという形式は県内でも類例がなく、貴重な行事である。
(鯖江市Webより)



なぜ悪いものを取り払う意味で行われていた胴上げが、良いことがあった時に変化


ではなぜ悪いものを取り払う意味で行われていた胴上げが、良いことがあった時に行われるようになったのだろう?


先生の解説では、

「昔は興奮した人が通常の状態とは異なり、悪霊などが憑いている異常な状態と考えられていたんです。そのため、興奮した人から悪いものを取り除いて、通常の状態に戻すために胴上げをするようになったと考えられます。」とのこと。


そうだったんだ!


新潟県南魚沼市六日町「婿の胴上げ」


新潟県南魚沼市六日町で行われる「婿の胴上げ」という行事はその考え方に基づいているんだって。

美しいお嫁さんを貰って興奮状態にある新婚男性を、胴上げすることで冷静さを取り戻させるために行われているそう。


そうしているうちに、「お疲れ様」や「おめでとう」などのお祝いの意味に変わっていったんだね。


昭和40年代の新婚旅行に向かう新幹線のホーム、50年頃には、同様に成田空港などで胴上げが行われていたんだよ。

この頃には、もうお祝いの意味になって全国に広がっていったんだね。


ということで、「胴上げは、異常な状態をシラフにするため!」

でした。


塚原愛アナから補足


日本野球で胴上げが始まったのは1950年。

セ・リーグで初代優勝チーム、松竹ロビンスが、選手が監督を胴上げをしたという記録が残っているとのこと。


チコちゃんは、松竹ロビンスは流石に知らなそうでしたが、大洋ホエールズを懐かしんでました。

ヒゲのシピンが、巨人に移籍した時に髭を剃ったエピソードまで知ってたよ!


(注)胴上げの発祥や意味については諸説あります。


解説してくれたのは


民俗学の専門家、新谷尚紀教授

新谷 尚紀(しんたに たかのり、1948年11月18日 – )は、日本の民俗学者。
國學院大学教授、国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学名誉教授。

経歴
広島県生まれ。
1971年早稲田大学第一文学部史学科卒業、1977年同大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得。
1998年「死・葬送・墓制をめぐる民俗学的研究」で慶應義塾大学社会学博士。
山村女子短期大学助教授、国立歴史民俗博物館助教授、教授、総合研究大学院大学教授、2010年定年退官、名誉教授、國學院大学文学部教授。
(Wikipediaより)




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