今回はチコちゃんに叱られる! 72分拡大版SP!スタジオにサプライズゲスト! 初回放送日:2024年12月27日日を紹介。
なんで子どもはぬいぐるみを好きになるの?
なんで子どもはぬいぐるみを好きになるの?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、ぬいぐるみが似合うステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「なんで子どもはぬいぐるみを好きになるの?」
チコちゃんの答えは、「親離れするため。」
親離れするため
子どもは成長によって「空想の世界」「現実の世界」の2つの世界を移動すると考えられています。
生まれたばかりの赤ちゃんなどが持つ「空想の世界」では自分と親の区別がつきません。
親と子は一体化していると感じる状態とのこと。
すぐにミルクがもらえたり、抱っこしてもらえたり、オムツを変えてもらえたり。
「何でも自分の思い通りになる」という万能感を感じる状態です。
そこから成長するにしたがって「現実の世界」になります。
徐々に親と自分は違う存在であるという認識が生まれます。
常に自分の思い通りにはならないという事も理解できるように。
自分が万能ではないと感じ始めます。
この空想から現実に移り変わっていく過程で「親離れ」を経験する事になります。
この移り変わりには不安がつきまといます。
そこで一つの安心材料になるのがぬいぐるみ。
ぬいぐるみは基本的にずっとくっ付くことができます。
ぬいぐるみは子どものなすがままに好き放題できる存在。
ある意味親の代わりになってくれるという役割も。
しかし、抱っこしてくれたり、ご飯を食べさせてくれるといった能力は持ち合わせていません。
ぬいぐるみは程よく自分の万能感を満たしてくれます。
また、その一方で、自分が万能ではない事も同時に教えてくれます。
心理学ではこのぬいぐるみのような存在を「移行対象」と呼びます。
主に生後半年~3歳ごろに愛着を寄せる無生物の事を指します。
ぬいぐるみの他に毛布やタオルが移行対象になるケースもあるとのこと。
一般的にぬいぐるみを好きになるのは親の代わりになって成長を助けてくれるちょうどいい存在。
大人になってもぬいぐるみ好きというケースも、問題ないとのこと。
ぬいぐるみは卒業しなくてはいけない存在という認識自体が間違っているとのこと。
安心感や癒しを与えてくれる存在として、大人でも持っていても構わないとのこと。
結論
というわけで、
「なんで子どもはぬいぐるみを好きになるの?」は、
「親離れするため」
でした。
解説してくれたのは
白百合女子大学の菊地浩平准教授。
ホーム学びの内容菊地 浩平 准教授
キクチ コウヘイ
菊地 浩平 准教授
専門分野
人形劇、人形文化
ここ最近は、戦前から戦中、戦後にかけて活動していた諸人形劇団の歩みと、彼らが中核を担ったテレビ黎明期の人形劇について研究しています。
自己紹介・学生へのメッセージ
■自己紹介
元々は舞台人形劇が専門でしたが、今では広義の人形と関係あれば何でも取り上げるというスタンスで仕事をしています。ぬいぐるみ、わら人形、蝋人形などはもちろん、着ぐるみ、ヒーローショー、AI、アバターなども対象です。人形文化にここまでフォーカスした教育、研究が可能な場所は他にないと思いますので、ご興味のある方はオープンキャンパスや研究室にいらっしゃってください。
■学生へのメッセージ
いわゆる《子ども向け》とされる作品を批評・分析すると、「考えすぎ。子どもはもっと素直に受け止めるはず」とお叱りを受けることがあります。実際、子どもは色々考えるし、その「素直」さって大人が作った虚像に過ぎないのですが……せっかく大学で学ぶのであれば、考えすぎるのも厭わない「素直」じゃない人になってほしいと思います。
担当科目
■人間総合学部 児童文化学科
人形文化論A・B
サブカルチャー論
子どもと社会
演習
卒業論文
■大学院 児童文学専攻
児童文化特殊研究C
担当科目の内容
■人間総合学部 児童文化学科
◇人形文化論A◇
幼いころに大切にしていたぬいぐるみについて、夢中で見ていた着ぐるみのキャラクターやヒーローについて、憧れて推していたアイドルについて、果てはかわいくて食べるのがもったいないと思ってしまうお菓子について、少しでも語ろうとすれば自ずと個人の人生観/世界観/人形観が立ち現れます。本講義ではそんな身近な人形たちを取り上げ学術的な可能性を探っています。オリンダ歴史地区のカーニバル、VTuber、レイ・ハリーハウゼン、ジョージ・パル、ヒーローショー、たべっ子どうぶつ、Perfume、『Detroit: Become Human』などを扱います。
◇人形文化論B◇
昨今では「テレビで流せない」という常套句をもって、コンテンツの過激さを宣伝することがありますが、黎明期のテレビは「テレビでしか流せない」番組にあふれていて、そのひとつが他ならぬ人形劇でした。そこで本講義では主にNHKで放送されたテレビ人形劇の歴史をたどりながら、日本のテレビと人形劇のかかわりについて検討しています。『テレビ天助漫遊記』、『チロリン村とくるみの木』、『ひょっこりひょうたん島』、『空中都市008』、『プリンプリン物語』、『ドラムカンナの冒険』、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』、『ねほりんぱほりん』、『PUI PUI モルカー』などを扱います。
◇サブカルチャー論◇
人形が織りなす文化について、とりわけ「恐怖(≒ホラー)」に焦点を当てて検討する講義です。わら人形、腹話術、蝋人形、球体関節人形、お化け屋敷、『チャイルド・プレイ』、『呪術廻戦』、『それいけ!アンパンマン』、『クレヨンしんちゃん』などを扱います。
◇子どもと社会◇
われわれや社会が想起しがちな「人形と子どもの関係性」を自明のものととらえず、なぜそんなイメージがいつどこで誰によって作られたのか、というところから考えてみようとする講義です。ロワイヤル・ド・リュクス、テオ・ヤンセン、初音ミク、ふなっしー、『ベイマックス』、『ラースとその彼女』、『くまのプーさん』、『トイ・ストーリー』などを扱います。
■大学院 児童文学専攻
◇児童文化特殊研究C◇
年度によって内容は変わりますが、人形論、キャラクター論、メディア論、テレビ論、マンガ論などの文献および関連作品を取り上げ、多角的に検討しています。
業績
◇単著
『人形メディア学講義』(河出書房新社、2018)
◇分担執筆
『日本の舞台芸術における身体—死と生、人形と人工体』(晃洋書房、2019)
『人は明日どう生きるのか ——未来像の更新』(NTT出版、2020)
経歴
埼玉県鴻巣市生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)、早稲田大学文化構想学部 表象・メディア論系助教等を経て現職。2019年に一般社団法人日本人形玩具学会学会賞、早稲田大学ティーチングアワード総長賞を受賞。
(大学HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
他の記事もよろしくね。