今回はチコちゃんに叱られる! ▽アサガオの謎▽歩行者天国の謎▽千手観音の謎 初回放送日NHK総合テレビジョン7月24日(金)を紹介。
千手観音って言ってるのに手が千本ないのはなんで?
千手観音って言ってるのに手が千本ないのはなんで?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、仏様のように優しい心をもったステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「千手観音って言ってるのに手が千本ないのはなんで?」
チコちゃんの答えは、「ひとつの手が25の世界を救うから。」
ひとつの手が25の世界を救うから
こんにちは!寺院や仏像巡りをしているとき、誰もが一度は気になったことがある「千手観音様」の謎。
「千手観音って言うくらいだから、手は1000本あるのかな?」
「実際に数えてみると、あれ……全然足りなくない?」
そんな疑問について、テレビ番組で駒澤大学の村松哲文学長が、目からウロコの解説をしてくれました!
今回はその内容をたっぷり引用しながら、千手観音様の手の数に隠された計算式と、仏教の奥深い世界観をご紹介します。
千手観音の手が「1000本」もないのはなぜ?
チコちゃんの番組での答えはズバリ、「ひとつの手が25の世界を救うから」でした!
千手観音様の正式名称は、「千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)」といいます。
その名の通り「1000本の手と1000個の眼で、生きとしいける人々を残さず救う」というのが基本的なコンセプトです。
実は、奈良時代頃までは言葉通り「本当に1000本の手を持つ仏像」が作られていました。
しかし、平安時代頃になると、現在よく見られる「42本の手」を持つ千手観音様が主流になっていきます。
「1000本から42本へ、なんでそんなに減っちゃったの?」と思いますよね。
この「42」という数字の裏には、仏教が説く「25の世界」という考え方が深く関わっています。
25の世界を救う「神秘の計算式」
仏教では、人間は「輪廻転生(りんねてんしょう)」を繰り返しながら、25個存在する世界のどこかに生まれ変わるとされています。
この「25の世界」は、大きく3つの区分(三界)に分けられています。
欲界(よくかい): 欲に支配された世界(14種類)。私たちが住む「閻浮提(えんぶだい)」もここに含まれます。
色界(しきかい): 欲がなくなり、物質だけが存在する世界(7種類)。
無色界(むしきかい): 物質すらなくなり、精神だけが存在する最高位の世界(4種類)。
これらを全部合わせると「25の世界」になります。
ちなみに、無色界の最上位にある「非想非非想処天(ひそうひひそうしょてん)」は、別名「有頂天(うちょうてん)」とも呼ばれています。
私たちが日常で使う「有頂天になる」という言葉の語源ですね!
千手観音様は、この25の世界すべてに住む人々を救ってくださる存在です。
【なぜ手は42本なの?】
42本の手のうち、体の前で合掌している2本を除くと、左右に20本ずつ(計40本)の手が残ります。
この40本の手が、それぞれ25の世界を担当して救ってくれます。
25 x 40 = 1000
つまり、「40本の手があれば、1000本分の手と同じ働きができる!」という計算になるのです。
1000本の手をリアルに彫る大変さを克服しつつ、意味合いを完璧に保った見事な知恵ですね。
【必見】一生に一度は見たい!伝説の千手観音像2選
番組では、仏像研究歴40年の村松先生が「一生に一度は見ておくべき千手観音像」を2つ紹介してくれました。
1. 大阪・葛井寺(ふじいでら)「千手観音菩薩坐像」
奈良時代に作られた国宝の仏像です。
こちらの観音様は、なんと省エネの42本スタイルではなく、本当に1000本の手(実際は1041本!)を持っています。
背後に扇のように広がる無数の手は、一見すると後光のようにも見え、圧倒的な迫力です。
また、仏像の頂点にも顔が、
これが、仏頂面
2. 和歌山・高野山金剛三昧院(こんごうさんまいいん)「千手観音像」
平安時代(または鎌倉時代)に作られたとされる重要文化財です。
カヤの一木から彫り出されており、人々を救う道具(持物:じもつ)が細部まで繊細に表現されています。
背中に1000本の手を作ろうとした痕跡が残っているのも、歴史を感じさせる大きな見どころです。
まとめ:観音様の手に込められた「無限の慈悲」
「1000本ないから偽物なのかな?」なんて思いきや、実は「40本の手×25の世界=1000本分の救い」という、ありがたい算数が隠されていました。
「1000」という数字は、単なる数ではなく「無限」や「あらゆる人々」を意味しています。
今度お寺で千手観音様にお参りするときは、ぜひその手の本数や持っている道具に注目してみてください。
すべての人を救おうとする、どこまでも深い優しさを感じられるはずですよ!
結論
というわけで、
「千手観音って言ってるのに手が千本ないのはなんで?」は、
「ひとつの手が25の世界を救うから」
でした。
解説してくれたのは
駒澤大学の村松哲文学長。
経歴と専門分野1967年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。専門は仏教美術史および禅美術。駒澤大学仏教学部教授、禅文化歴史博物館館長などを経て現職。主な取り組みと活動仏教の教えである「智慧」「慈悲」「縁起」を教育の三本柱に掲げ、「誰からも愛される大学」を目指している。メディアや書籍、NHK Eテレ「趣味どきっ!」などを通じたわかりやすい仏像鑑賞の解説でも広く知られている。著書に『駒澤大学仏教学部教授が語る 仏像鑑賞入門』『体感する仏像』などがある。
(大学HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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