今回は、2021年10月15日金 チコちゃんに叱られる!「▽ナッツの秘密▽血管はなぜ青い▽アンティークの謎」の番組内容を紹介。
なんでナッツは美味しいの?
確かにナッツはおいしいですね。
でもおいしいに理由があるの?
なんでナッツは美味しいの?
本日の1つめ目の話題。
まずは、最初のゲスト紹介。
本日のゲストは初登場の日向坂46の佐々木久美さんと、初登場の鈴木浩介さん。
早速一問目に。
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、バーでお酒を飲む姿がステキな大人ってだーれ?」
岡村さんの指名で、鈴木さんが回答者に。
バーからナッツの話題。
チコちゃん「なんでナッツは美味しいの?」
鈴木さん「食感と風味が良いから。」といった趣旨の回答。
正解に至らず、叱られちゃいました。
チコちゃんの答えは、「土に埋めてもらいたいから」
土に埋めてもらいたいから
解説してくれたのは、森林総合研究所、主任研究員の直江将司先生。
まず「ナッツ」とは何か?という定義から説明。
実はナッツの定義は、あいまい。
先生「ナッツ=硬い殻で覆われていて種を食用とする木の実」
一般的には、アーモンド、くるみ、アカダミアナッツ、ピスタチオなど
この条件だと、栗、どんぐり、松の実などもナッツの一種という事に。
ちなみにどんぐりは縄文時代から貴重な食料。
縄文時代の遺跡からもどんぐりやどんぐりを調理する器具などが多く見つかっています。
ナッツはなぜ美味しいのか?
ナッツ=「種」。
これは動物に置き換えると「卵」。
という事はつまり栄養が豊富に詰まっているという事。
クルミを見ても、不飽和脂肪酸やたんぱく質、食物繊維など栄養満点
現在広く流通しているナッツは人間が美味しいと感じる種類のナッツを品種改良したもの。
野生のナッツとは味が異なるそう。
品種改良した後のナッツと野生のナッツで共通して言えるのが「ナッツは土に埋めてもらいたくて進化した」という点。
ナッツは植物なので自分の種を自分で土に埋める事はできません。
ナッツは種が熟すと地面に落ちますが、それをそのまま放っておくと乾燥してしまって種が死んでしまったり、虫に食べられたり。
そこで登場するのリス、ネズミ、カケス、ホシガラスといった種を土の中に貯蔵する習性を持つ動物たち。
例えばリスは食べ物が少なくなる冬に備えて落ちているどんぐりをせっせと拾って土に浅く埋めて食料を貯蔵。
そして冬になるとどんぐりを掘り起こして食べます。
結局リスに食べられるように思えますが、実は食べ残しが出るそう。
リスがナッツを埋める際には一か所に集中して埋めるわけではありません。
他の動物に横取りされないように数か所に分けて埋めます。
冬になると記憶と匂いを頼りに掘り起こしていきます。
ところが雪が降り積もってしまったりするとどうしても取り残しが出てしまいます。
そうなるとリスに食べられなかった種が残るという結果に。
ナッツが上手く子孫を残すためには
動物が埋めた種の位置を忘れる
他の動物に種を掘り起こされない
浅く埋められて虫に食べられない
深く埋められすぎると芽が地上まで届かない
という条件を満たす必要があるとのこと。
こうなると確率がかなり低そうに感じます。
この確率を少しでも上げる為にナッツは進化してきたとのこと。
ナッツ坊や(声:柳原哲也)がナッツたちの生存戦略を解説
【課題1:熟す前に種が食べられない】進化=まずい果実をつける
一般的に果実は美味しい果実を種ごと食べてもらって、フンと一緒にバラまいてもらいます。
しかし、ナッツたちは逆に不味く進化させました。
果実部分が硬かったり、渋かったり。
こうすれば、種が熟す前に食べられる事はありません。
【課題2:熟した種を土に埋めてくれる動物に選んでもらう】進化=種を巨大化
野菜や果物などの種と比べるとナッツ類は大きいという特徴があります。
これは栄養満点のナッツの一粒のサイズを大きくする事で動物たちに「一粒で多くの栄養が摂れる最高の食べ物」と感じさせて、冬に備える動物たちの大好物になるという作戦。
さらに大きい種は乾燥した場所や暗い場所などの過酷な環境でも育ちやすいというメリットも。
【課題3:子孫を少しでも多く残す】進化=豊作・凶作を繰り返す
毎年沢山の種を作った方が子孫を多く残せそうですが、ナッツは種が出来る数をコントロール。
これは豊作の年ばかりだと天敵の虫が大量発生してしまうので、種の数をわざと減らす年を作る事で虫の数を減らすという作戦。
こうして天敵の数を減らし、と同時に豊作の年には動物たちがせっせと種を埋めてくれるので、どんどん遠くまで埋めてもらえるように。
このようにして、食べ残してもらった種が芽を出します。
こういった進化を経てナッツは美味しくなったとのこと。
結論
というわけで、
「なんでナッツは美味しいの?」は、
「土に埋めてもらいたいから」
でした。
塚原アナから補足
ナッツと聞くとピーナッツを思い浮かべる方もいると思いますが、ナッツは「地上の木になる木の実」という定義があり、ピーナッツ(落花生)は地中で実る草の実(マメ科)なのでナッツではないとのこと。
解説してくれたのは
森林総合研究所の主任研究員である直江将司先生
直江 将司 (なおえ しょうじ) Shoji NAOE
国立研究開発法人 森林研究・整備機構
森林総合研究所 東北支所 森林生態研究グループ 主任研究員
Google Scholar
Orcid ID https://orcid.org/0000-0002-0605-4187
Publons
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学歴
1983年3月 香川県丸亀市生
2001年3月 香川県立坂出高校卒業
2002年4月 京都府立大学農学部森林科学科入学
2006年3月 〃森林生態学研究室(現, 森林生理生態学研究室)卒業 学士(農学)
卒業論文「京都市におけるマツ材線虫病被害発生地とその環境要因」
指導教員:池田 武文 先生
2006年4月 京都大学理学研究科生態学研究センター博士前期課程入学
2008年3月 〃修了 修士(理学)
修士論文「断片化は鳥散布樹木の更新に影響を及ぼすか」
指導教員:酒井 章子 先生
2008年4月 京都大学理学研究科生態学研究センター博士後期過程進学
2012年3月 〃修了 博士(理学)
博士論文「Seed dispersal pattern of fleshy-fruited plant species determined by scale-dependent animal behaviors」
指導教員:酒井 章子 先生、 山内 淳 先生
職歴
2006.4. ~ 2007.3. 京都大学 生態学研究センター ティーチングアシスタント
2008.4. ~ 2009.3. 京都大学 生態学研究センター GCOE リサーチアシスタント
2009.4. ~ 2011.3. 日本学術振興会 特別研究員 DC2
2011.4. ~ 2012.3. 京都大学 生態学研究センター GCOE リサーチアシスタント
2012.4. ~ 2012.11. 東京大学 農学生命科学研究科 生圏システム学専攻 生物多様性科学研究室 特任研究員
2012.12. ~ 2013.11. 東京大学 農学生命科学研究科 生圏システム学専攻 生物多様性科学研究室 特任助教
2013.12. ~ 2014.2. 森林総合研究所 森林植生研究領域 群落動態研究室 非常勤特別研究員
2014.3. ~ 2016.12. 森林総合研究所 森林植生研究領域 群落動態研究室 任期付研究員
2017.1. ~ 2017.8. 森林総合研究所 東北支所 森林生態研究グループ 研究員
2017.9. ~ 現在 森林総合研究所 東北支所 森林生態研究グループ 主任研究員
(HPより)
国立研究開発法人森林研究・整備機構(しんりんけんきゅう・せいびきこう)は、林野庁所管の国立研究開発法人。2017年(平成29年)4月1日までの名称は国立研究開発法人森林総合研究所(しんりんそうごうけんきゅうじょ、英:Forestry and Forest Products Research Institute、FFPRI)、略称は森林総研。本所は茨城県つくば市松の里1番地(筑波研究学園都市内)に置く。
機構は、森林及び林業に関する試験及び研究、林木の優良な種苗の生産及び配布、水源を涵養するための森林の造成等を行うことにより、森林の保続培養を図るとともに、林業に関する技術の向上に寄与し、もって林業の振興と森林の有する公益的機能の維持増進に資することを目的とする(国立研究開発法人森林研究・整備機構法第3条)。
2005年に前身である農商務省山林局林業試験所の発足から数えて創立100周年を迎えた。2007年に独立行政法人林木育種センターを、2008年に独立行政法人緑資源機構(森林整備センター)を統合した。
(Wikipediaより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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