今回はチコちゃんに叱られる! ▽童話や昔話の謎▽とろとろ食感の謎▽座席の色の謎 初回放送日：2025年11月14日を紹介。
なんで日本人はとろとろが好きなの？
なんで日本人はとろとろが好きなの？
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、とろとろの食べ物が好きなステキな大人ってだーれ？」
チコちゃん「なんで日本人はとろとろが好きなの？」
チコちゃんの答えは、「口の中での滞在時間が長いから。」
口の中での滞在時間が長いから
なぜ日本人は「とろとろ」が好きなの？ 秘密は「口の中の滞在時間」にあった！
卵かけご飯、とろろ、あんかけ料理……。
私たち日本人は、「とろとろ」とした食感の食べ物に目がないですよね。
この日本人の「とろとろ好き」には、実は長い歴史と、私たちが持つ味覚の特別な能力が深く関係していたのです。
鎌倉時代から続く「とろとろ」の歴史
味覚研究家の鈴木隆一さんによると、日本人と「とろとろ」の関係は、鎌倉時代にまで遡ります。
その時代に書かれた辞書には、「淀（よど）」という項目がありました。
「水がよどんで流れにくい様子」という説明と共に、「とろとろともいう」という追加説明があったそうです。
つまり、当初は川の流れがゆっくりしたよどみの部分を「とろとろ」と表現していました。
埼玉県秩父にある長瀞（ながとろ）という地名も、荒川の緩やかな水の流れが由来になっていると言われています。
とろとろ好きは世界共通の「本能」
そもそも、人間は本能的にやわらかくて、フワフワ、とろとろとした食感を好む性質を持っています。
これは、離乳食の段階から見られる傾向です。
食べやすくて消化が良い食感は、「安全な食べ物」という認識に繋がります。
この「とろとろ好き」は、日本だけでなく外国でも同様に見られる自然な傾向です。
違いを生んだ「生食文化」
しかし、ここで日本と外国との間に大きな違いが生まれます。
外国では、普通の食事をするようになる5歳頃から、とろとろ食感の食べ物を徐々に食べなくなる傾向にあります。
一方、日本人はその後もとろとろ食感の食べ物を好む傾向が続くのです。
この違いに強く影響を与えているのが、古来より続く日本の「生食文化」です。
海に囲まれた日本では、古くから魚を生で食べる文化が定着していました。
「生で新鮮な方が美味しい」という感覚が刷り込まれた日本人は、生卵やとろろ芋など、とろとろとした生食材を好むように舌が適応していきました。
敏感な舌と「うま味」の相乗効果
なぜ、とろとろ食感が美味しく感じるのでしょうか？ 鍵は、その粘度と滞在時間にあります。
とろとろ食感は粘度が高く、食べ物が口の中に留まる時間（滞在時間）が長くなります。
例えば、さらさらしたスープよりも、とろみのあるスープの方が舌に長く絡みつき、うま味を感じやすくなります。
さらに、日本人は外国人に比べて味に対して敏感な舌を持っているという研究データもあります。
甘み、塩味、酸味、苦み、うま味といった味の違いを感じる力を比べた実験があります。
その結果は、日本人の方が総合的に高い能力を有しているそうです。
特にうま味については、日本人と外国人で大きな差がつく結果が出ています。
出汁文化が磨いた「味蕾」の機能
人間が味を感じ取る器官に、味蕾（みらい）があります。口の中に約1万個あると言われています。
日本人は、この味蕾の機能が高いため、味を感じ取る力が高いと言われています。
これは、日本人が古来より出汁（だし）文化によって、カツオや昆布のうま味成分を感じていたことが強く影響していると考えられています。
味に敏感な日本人は、口の中に長く残り続け、特にうま味を強く感じられるとろとろ食感を、より美味しいと感じるようになったのです。
味覚センサーも証明！
実際に、AI搭載の味覚センサーでさらさらの味噌汁ととろとろの味噌汁を比較した研究があります。
その結果、とろとろの味噌汁の方が「うま味」の数値が高いという結果が出ました。
生食文化によってとろとろ食感に抵抗がなく、元々うま味を感じやすい舌を持っていた日本人にとって、口の中の滞在時間が長くなる「とろとろ」は、美味しさを最大限に引き出す最高の食感だったのですね。
結論
というわけで、
「なんで日本人はとろとろが好きなの？」は、
「口の中での滞在時間が長いから」
でした。
解説してくれたのは
味覚研究家の鈴木隆一さん。
鈴木 隆一（すずき りゅういち）は、日本の実業家。AISSY社長からOISSY社長、通称は味博士[1]。
東京都新宿区出身[2]。桐蔭学園高等学校、慶應義塾大学理工学部卒業[2]。同大学院理工学研究科修士課程修了。在学中よりシステム開発の受託などを行いながら慶應義塾大学SFC研究所研究員も兼務。慶應義塾大学共同研究員、慶應義塾大学大学院理工学研究科特任講師を歴任。
（Wikipediaより）
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