今回はチコちゃんに叱られる! ▽絵文字の謎▽中華街の謎▽アスファルトの謎 初回放送日：2025年9月12日を紹介。
なんで絵文字が出来たの？
なんで絵文字が出来たの？
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、まめに返信してくれるステキな大人ってだーれ？」
チコちゃん「なんで絵文字が出来たの？]
チコちゃんの答えは、ハートマークをどうしても送りたかったから。」
ハートマークをどうしても送りたかったから
絵文字って、どうして生まれたんだろう？
そんな素朴な疑問に、今回は迫ってみたいと思います。
実はその誕生には、「どうしても届けたいハートがあった」という、熱いストーリーがあったんです。
この物語の主人公は、携帯電話の絵文字を開発した、NTTドコモの栗田穣崇（くりた しげたか）さん。
チコジェクトX「ハートマークが届かなくて… ～平成絵文字ストーリー～」
時は1995年。
まだ携帯電話がごく一部の人しか持っていなかった時代です。
ドコモに入社した栗田さんは、当時主流だったポケベルの進化に携わっていました。
ポケベル時代のコミュニケーション
当時のポケベルは、数字でメッセージを送るのが一般的でした。
例えば、「4649」で「よろしく」といった語呂合わせですね。
その後、ポケベルはカタカナ表示にも対応し、そこで大人気になったのが、♡ハート、電話、時計の3つでした。
これが、すべての絵文字の始まりだったんです。
「ハートマーク事件」の衝撃
1997年、ドコモは新機能として、漢字まで表示できるポケベルを発売しました。
しかし、この新しいポケベルは、なぜか全然売れませんでした。
その原因として考えられたのが、「ハートマークが省かれてしまったこと」でした。
漢字表示に力を入れるあまり、大人気のハートマークを外してしまったんです。
これによって、ユーザーのニーズとズレてしまい、多くの顧客が離れてしまいました。
この失敗は、業界内で「ハートマーク事件」と呼ばれるほど大きな話題になったそうです。
栗田さんは、この経験から「ハートは最強の絵文字」だと確信したといいます。
「バカ」という言葉も、ハートマークをつけるだけで「バカ♡」と、ポジティブな意味合いに変わってしまう。
まさに魔法のような絵文字だったんですね。
iモードと絵文字プロジェクト
ちょうどこの頃、栗田さんは「iモード」という、携帯電話でインターネットに接続する新しいプロジェクトに参加していました。
携帯電話でメールのやり取りをするのは、日本初の試み。
栗田さんは、ここでハートマークだけは絶対に必要だと心に決めていました。
上司に直談判すると、意外にもすんなりOKが出て、なんと200個もの絵文字を作るという大役を任されたのです。
1か月で200個の絵文字を作る！？
しかし、与えられた時間はたったの1か月。
携帯電話の需要が高まる6月と12月の商戦期に間に合わせるためでした。
絵文字という新しい概念を形にするため、栗田さんはデザイナーに発注するにも、自分で具体的な例を示す必要がありました。
彼はひたすら方眼紙に向かい、一つ一つ手作業でデザインを考えていきました。
当時の携帯電話の画面は、横12、縦12のドットで表現されていました。
この限られた枠の中で、いかに多様なデザインを生み出すか。
これが大きな課題でした。
偶数である12ドットだと、真ん中が設定できず、デザインが少しずれてしまうという壁にもぶつかりました。
栗田さんは、端っこの1列を捨てるという方法で、この問題をクリアしたそうです。
漫画表現がヒントに
絵文字のデザインに行き詰まった栗田さんを救ったのが、漫画の表現技法でした。
顔に筋が立つと「怒り」
顔から汗が流れると「焦り」
キラキラした光で「輝き」
といった、漫画特有の表現をヒントに、次々とアイデアを生み出していきました。
「うんち」の絵文字の誕生秘話
栗田さんには、どうしても入れたい絵文字がもう一つありました。
それは、「うんち」の絵文字です。
「これがあれば子どもたちも絶対に楽しいはず」と、上司に必死にプレゼンしました。
しかし、残念ながら最初は「ノー」と言われ、一度は却下されてしまいます。
それでも、栗田さんの熱意が伝わったのでしょうか。
最終的には、あの可愛らしい「うんち」の絵文字が採用されました。
そして、世界へ
1999年2月22日。
iモードのサービス開始とともに、栗田さんの作った176種類の絵文字がデビューしました。
この中には、最強の絵文字であるハートマークが4種類も含まれていました。
日本の携帯文化に定着した絵文字は、やがて海を越え、世界中に広まります。
そして、「emoji」という言葉は、今や世界の共通語になっています。
2016年には、栗田さんが作った176種類の絵文字が、ニューヨーク近代美術館に展示されるという快挙も成し遂げました。
コミュニケーションを豊かにしてくれた絵文字は、「ハートマークを入れないと売れない」という業界の大事件がきっかけで生まれたんですね。
一つのマークが、これほど大きなムーブメントを起こすなんて、とても素敵な話だと思いませんか？
結論
というわけで、
「なんで絵文字が出来たの？」は、
「ハートマークをどうしても送りたかったから」
でした。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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