今回は、2019年9月13日金曜日放送、「チコちゃんに叱られる!」「“月にウサギがいるのは?”“コクって何?”ほか」のお話。
接着剤はなんでくっつくの?
確かに、まったく考えたことないですね。
なんでくっつくんだろう?
接着剤はなんでくっつくの?
本日の3問目。
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番手先が器用なステキな大人ってだ~れ?」
岡村さんが立候補して回答者に。
接着剤の話題。
チコちゃん「接着剤はなんでくっつくの?」
岡村さん「くっつくように作ったからね!」
正解にいたらず、叱られちゃいました。
街中でくっついているカップルに街頭インタビューするも正解なし。
チコちゃんの答えは、「濡れるから」
濡れるから
接着剤は全て液体。
接着したいモノ同士の間を液体で濡らす事が接着するために重要。
つまり濡れるからくっ付く。
ガラス版を用いて実験
ガラス板を2枚用意。
乾いた状態で重ね合わせても、まったくくっつきません。
水を一滴垂らして重ねると、ガラスはくっ付きます。
ガラスは一見ツルツルの表面をしているように見えます。
しかし、顕微鏡で見るとその表面には沢山の凹凸が。
この状態でガラスを重ねても2枚のガラスの間は隙間だらけ。
しかし、水で濡らすと表面の凹凸に水が入り込んで隙間が埋まります。
この時に、電気の力が働きます。
電気の力
人間を含めてこの世の全てのモノは分子というとても小さな物質から出来ています。
そして全ての分子はプラスとマイナスの電荷、つまりごく僅かな電気を保持。
分子同士が近づくとプラスとマイナスの電荷が引き合って引っ張り合う力が。
この力がファンデルワールス力。
このファンデルワールス力が生まれるには、分子同士がすごく近づく必要があります。
その距離は、髪の毛の10万分の1。
接着剤は、濡らすことでで液体である接着剤が隙間を埋めます。
モノ同士がすごく近づいき、ファンデルワールス力でくっつきます。
水でも接着剤同様にくっつけることはできるのですが、動いてしまうということが問題点。
ガラス板であれば傾けると水が滑って、くっついた状態から分離。
しかし、接着剤には、くっつけた後に固まるという性質があります。
この性質で分子同士が近くなった状態を保持することができます。
これが接着剤と水の大きな差。
接着剤業界で今注目されているという最強の接着剤
SGA (Second Generation ACRylic:セカンドジェネレーションアクリリック)。
室温状態で固まるものとしては最強とのこと。
工業用接着剤として金属の接着に用いられます。
硬く固まる樹脂とゴムの成分を含んでいるのが特徴。
そのため、固まった後でもさまざまな方向からの力に耐えることができます。
SGAの強度実験
2gのSGAを使用して金具を壁に固定。
そこに鉄パイプをはめて片側留め鉄棒に。
スタッフ(体重92kg)が鉄パイプにぶら下がりますが、全く問題なし。
数十秒で、筋力が体重に耐えられず落下しちゃいました。
もっと長時間の実験第2弾。
SGAの量を0.5gに減らして金具同士を接着。
ブランコを吊るして2人の男性に乗ってもらい接着力を検証。
2人合わせて、体重約200kg。
10分間乗っていても問題なし。
理論上は推定10トン以上も持ち上げ可能という接着力とのこと。
結論
というわけで、
「接着剤はなんでくっつくの?」は、
「濡れるから」
でした。
塚原アナから補足
接着剤はモノ同士をくっつける際に他の部品が必要ないという特徴があるので車、新幹線、飛行機などの様々な分野の接合部分にも多く使われています。
Suicaなどの交通系ICカードは2枚のプラスチック板の間にICチップを挟んで接着したものとのこと。
解説してくれたのは
日本接着剤工業会の秋本雅人さん。
秋本 雅人
所属
セメダイン株式会社
役職
執行役員 技術本部長 兼 開発部長
経歴
1985年3月 青山学院大学 理工学部 化学科 卒業
1985年4月 セメダイン株式会社 開発部入社
1999年9月 セメダイン株式会社 開発部第二グループ課長
2009年9月 セメダイン株式会社 開発部長
2013年4月 セメダイン株式会社 営業統括部 第二事業部長
2015年4月 セメダイン株式会社 執行役員 技術本部長 兼 開発部長
学協会
2009年〜2014年 日本接着学会 理事
2016年〜 日本接着学会 理事
2009年~ 日本接着剤工業会 教育委員会 委員
(HPより)
接着剤工業会の事業
標準化の推進
接着剤に関するJIS原案の作成、JAI規格(日本接着剤工業会規格)の作成及びJAIマーク表示等、標準化
技術の振興
接着剤技術に関する情報の提供等を行なっています。また接着工法の研究とその確立をはかっています。
環境安全対策
接着剤に関する安全衛生及び環境問題に対応して、各種の対策を検討・推進しています。
接着剤のPR
接着技術学校、接着剤入門講座等を主催する中で接着剤のPRを行っています。また必要に応じてPRパンフレット等を発行しています。
(HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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