今回は祝!放送300回!72分拡大版スペシャル! 初回放送日:2025年7月25日を紹介。
なんで映像に音楽が加わるとより感動するの?
なんで映像に音楽が加わるとより感動するの?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、なんでも感動するステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「なんで映像に音楽が加わるとより感動するの?」
チコちゃんの答えは、「音楽が意識を「自分」に向けさせるスイッチだから。」
音楽が意識を「自分」に向けさせるスイッチだから
音楽の魔法!BGMがあなたの心を揺さぶる感動のメカニズム
私たちは普段、何気なく映像を見て、音楽を聴いています。
でも、そこに流れるBGM(バックグラウンドミュージック)が、なぜあんなにも私たちの心を揺さぶり、感動を呼び起こすのか、不思議に思ったことはありませんか?
今回は、脳の知られざる働き「デフォルトモードネットワーク」と音楽が織りなす、感動のメカニズムについて、深く掘り下げていきましょう!
映像を「理解する」脳の働き
まず、音楽のない映像を見ている時の脳の働きから見ていきましょう。
私たちが映像に集中している時、脳の中では様々な領域が連携して働いています。
・視覚野: 物の形や色、動きなどを認識します。
・聴覚野: 映像から聞こえる音、例えば話し声や足音、環境音などを処理します。
・言語野: 登場人物のセリフやナレーションなど、言葉の内容を理解します。
これらの脳のエリアは、まるでチームのように情報を密にやり取りし、今見ているものが何で、どんな状況なのかを瞬時に理解し、記憶する役割を担っています。
まさに、「目の前の情報」を効率的に処理することに全力を注いでいる状態と言えるでしょう。
音楽が感情のスイッチを押す「デフォルトモードネットワーク」
しかし、ここにBGMという音楽が加わると、どうでしょう?
映像がただの「情報」から、途端に感動的で感慨深いものに変化する、という現象が起こります。
この時、脳の中では一体何が起きているのでしょうか?
そのカギを握るのが、脳の深部に存在する「デフォルトモードネットワーク(DMN)」という領域です。
デフォルトモードネットワークって何?
デフォルトモードネットワークは、私たちが外からの情報に集中していない時、ぼんやりと物思いにふけっている時などに特に活動的になることが知られています。
例えば、電車に乗って窓の外を眺めている時や、お風呂でリラックスしている時など、意識が内側に向かっている時に活発になるイメージです。
驚くべきことに、このデフォルトモードネットワークは、音楽を聴いてリラックスしている時にも活動的になることが最新の研究で分かってきているんです。
音楽が呼び覚ます「共感」の力
音楽のない映像を見ている時、脳は映像の内容理解に集中するため、デフォルトモードネットワークの活動は抑えられています。
つまり、「目の前の情報」に意識が向いている状態です。
ところが、その映像に音楽が付けられると、この音楽がまるでスイッチのように働き、デフォルトモードネットワークを活発にさせます。
すると、私たちの意識は「目の前の情報」から「自分自身」へと向かい始めるのです。
音楽がトリガーとなって、映像から過去の自分の記憶が呼び起こされる
・映像の登場人物や状況に、自分を重ね合わせて共感しようとする
・懐かしさ、悲しみ、喜び、希望など、様々な感情が心の中に湧き上がる
このように、音楽がデフォルトモードネットワークを活性化させることで、私たちは映像を「自分のこと」として捉え、感情移入しやすくなるのです。
意識が自分の方へ向かうことで、私たちはより深く感動を覚え、映像から受ける印象がガラリと変わって見える、というわけですね。
まとめ:BGMは心の「翻訳機」
BGMは単なる背景音ではありません。
それは私たちの脳のデフォルトモードネットワークを刺激し、映像を「自分ごと」として感じさせるための「翻訳機」のような役割を果たしているのです。
映画やドラマの感動的なシーン、ドキュメンタリーの心温まる場面、CMで流れる印象的な音楽。
これらすべては、私たちの脳の中で繰り広げられる、視覚、聴覚、言語、そしてデフォルトモードネットワークが織りなす感動のオーケストラなのです。
次に音楽付きの映像を見る時は、ぜひこの脳の働きを少しだけ意識してみてください。
きっと、これまでとは違う感動が待っているはずです。
音楽の持つ不思議な力、改めて素晴らしいと思いませんか?
結論
というわけで、
「なんで映像に音楽が加わるとより感動するの?」は、
「音楽が意識を「自分」に向けさせるスイッチだから」
でした。
解説してくれたのは
上智大学の田中昌司名誉教授。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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