NHK番組「チコちゃんに叱られる!」の放送内容を詳しく紹介!

チコちゃんに叱られる!

チコちゃんクイズ

君(くん)って何? 吉田松陰が立場を超えてコミュニケーションをとれるようにした言葉

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今回は祝!放送300回!72分拡大版スペシャル! 初回放送日:2025年7月25日を紹介。


君(くん)って何?



君(くん)って何?


今回は、叱り続けてもう300回、ぼーとしてたあの子もこの子も全部おぼえておるでスペシャル。





チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、お友達思いのステキな大人ってだーれ?」


チコちゃん「君(くん)って何?」


チコちゃんの答えは、「吉田松陰が立場を超えてコミュニケーションをとれるようにした言葉」



吉田松陰が立場を超えてコミュニケーションをとれるようにした言葉


吉田松陰と「君」の秘密!現代にもつながる教育者の知恵

皆さん、「君」という呼び方、普段使っていますか?


友人や同僚、あるいは目上の人に対しても使われるこの言葉、実はそのルーツをたどると、幕末の偉大な教育者、吉田松陰に行き着くんです。




今回は、吉田松陰が主宰した松下村塾での意外な取り組みと、そこから現代にまで続く「君」という呼び方の歴史について、思わず誰かに教えたくなるようなお話をお届けします!




身分を超えた学び舎「松下村塾」

現在の山口県にあった長州藩で、吉田松陰が開いた私塾「松下村塾」。


ここからは、後の明治維新を牽引する高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋といった、日本史に名を刻むそうそうたる人物たちが輩出されました。




なぜ、これほど多くの偉人が育ったのでしょうか?


その秘訣は、松下村塾が実践していた「開かれた自由な学びの場」という独特の教育方針にありました。



・月謝(塾代)はなし!

経済的な理由で学ぶ機会を失うことがないよう、月謝は一切取りませんでした。


これにより、身分や家柄に関わらず、様々な立場の若者が集まることができたのです。


・教科書・カリキュラムはなし!

固定の教科書やカリキュラムはなく、松陰の講義を聴いたり、生徒同士が活発に議論を交わしたりするスタイルでした。



・「個性」を伸ばす教育
立場や年齢、学習度合いの垣根を越え、生徒たちがそれぞれの意見をぶつけ合うことで、個性を伸ばすことを重視していました。


しかし、そんな理想的な討論の場にも、一つ大きな「壁」がありました。



「様」でも「殿」でもない、新しい呼び名「君」の誕生!

自由な討論を推奨する松下村塾でしたが、生徒たちはどうしてもそれぞれの身分を気にしてしまいがちでした。


目上の人には「様」、目下の人には「殿」と呼ぶのが当たり前の世の中。




農家出身の生徒が武家出身の生徒に意見しにくい、といった空気が漂っていたのです。


そこで吉田松陰が提案したのが、画期的な新ルール!


ここからは、いつものNHK多分こうだったんじゃないか劇場で説明


GTY:GREAT TEACHER YOSHIDA 言いたいことも言えないこんな世の中は




吉田松陰:「うーん、これでは自由な議論は難しいぞ……。そうだ!今日から皆、お互いのことを『君(くん)』と呼び合うことにしよう!」


生徒たち:「えっ、『君』ですか?!」


そう、吉田松陰は、元々は立場の高い人への敬意を込めて使われていた「君」という言葉を、あえて新しい呼び名として採用したのです。


これは、「様」でも「殿」でもない、お互いを対等に扱うというコンセプトをより強調するための試みでした。


この「君」という呼び名には、単なる敬意だけでなく、相手に対する敬愛の念が込められていました。


身分に関係なく、誰もが同じ志を持つ仲間である、という松陰の強いメッセージが込められていたのでしょう。



現代に広がる「君」の足跡

松下村塾で生まれたこの「君」という呼び方は、その後、どのように社会に広まっていったのでしょうか?



明治時代:身分制度の撤廃と学校教育への浸透

明治時代に入ると、武士や農民といった階級が取り払われ、全国に学校が設立されるなど、社会は大きく変化しました。


そして明治後半には、夏目漱石の小説『坊っちゃん』にも、友人を「君」付けで呼ぶシーンが登場します。




この頃から、「君」は対等で親密な仲間意識を表す、新しい時代の言葉として、書生たちの間で使われるようになりました。


さらに教科書にも「君」付けが掲載されたことで、全国的にその呼び方が広まっていったのです。




国会での「君」:受け継がれる伝統

意外なことに、子どもたちの間に「君」付けが定着するまでには時間がかかった一方で、早くから定着したのが国会の場でした。


現在の国会でも、国会議員がお互いを「君」付けで呼ぶのは、参議院先例録という規則に基づく伝統なんです。


議場や委員会議室では、互いに敬称として「君」を用いると明記されています。



明治23年に日本で初めて帝国議会が開かれた際も、議長は発言者を「君」付けで呼んでいました。


そしてその議長こそ、初代内閣総理大臣であり、松下村塾出身の伊藤博文だったのです!




松下村塾での教えが、日本の政治の場にも脈々と受け継がれていることに驚きますね。



「僕」と「君」の深い関係

ちなみに、自分を「僕」、相手を「君」と呼ぶことも、吉田松陰が松下村塾で定着させた呼び方ルールだったと言われています。


これもまた、お互いを対等な立場で尊重し合うという、松陰の教育理念の表れだったのかもしれません。


現在では、男子を「君」、女子を「さん」と呼ぶような学校のルールは減り、性別に関わらず「さん」と呼ぶことが一般的になっています。


時代の流れとともに言葉の使い方も変化しますが、「君」という呼び名に込められた「対等な関係性への敬意」という松陰の願いは、現代にも確かに受け継がれているのではないでしょうか。


吉田松陰の先見の明と、言葉の力で社会を変えようとした熱い想いが伝わってきますね。


今日から「君」という言葉を使うとき、少しだけ松下村塾の風景を思い出してみてはいかがでしょうか。



結論


というわけで、


「君(くん)って何?」は、


「吉田松陰が立場を超えてコミュニケーションをとれるようにした言葉」


でした。
 



解説してくれたのは


歴史作家の山村竜也さん。



今回も最後まで読んでくれてありがとう。
他の記事もよろしくね。


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