今回はチコちゃんに叱られる! ▽恐竜の不思議▽なぜプレゼントする▽富士山の謎 初回放送日：2025年5月2日を紹介。
なんで日本人は富士山が好きなの？
なんで日本人は富士山が好きなの？
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、ステキな景色が好きなステキな大人ってだーれ？」
チコちゃん「なんで日本人は富士山が好きなの？」
チコちゃんの答えは、「徳川家のプロデュースに乗せられたから。」
徳川家のプロデュースに乗せられたから
富士山を描いた現存する最も古い絵とされるのが1069年の平安時代に描かれたとされる聖徳太子絵伝。
この富士山の姿はかなりの急こう配となっています。
昔は都と言えば京都。
京都から遠い富士山は全国的にマイナーな山。
直接、見ることができません。
脇役的な立ち位置。
この絵に描かれた富士山も実際の姿ではなく、伝聞や物語などからイメージで絵師が描いたものではないかと考えられています。
そして時代が進んで12世紀末に源頼朝が征夷大将軍となります。
そして東日本の鎌倉に幕府を開きます。
すると、京都との行き来が活発になります。
富士山を実際に目にする人の数が次第に増えていきました。
すると想像上の山だった富士山が徐々に現実の姿で描かれるように変化していきます。
こうして富士山を主役として絵を描くようになったのが室町時代ごろ。
その中でも富士山の転機となった作品と言われるのが室町時代を代表する画家の雪舟が描いた富士三保清見寺図。
このように徐々に知名度を増していく富士山。
これに目を付けたのが徳川家康。
幼少期を現在の静岡(当時の駿府)で過ごしました。
家康にとって富士山は身近な存在。
ご当地アイドル的な存在だったのではないかのこと。
家康は、愛馬の名前に”富士の道芝”と名付けて可愛がりました。
また、関ヶ原の戦いに勝利したお礼として富士山の本宮浅間大社の社殿を約30棟も造営したり。
富士山への思い入れをうかがわせるエピソードがあります。
その後、家康は江戸に幕府を開きます。
そこで、歴史の長い京の都に対抗するために幕府の象徴のような存在が欲しいと考えました。
そこで富士山をご当地アイドルから全国区のアイドルに仕立てようという思惑があったのかもしれません。
この家康の思いは後の将軍たちにも受け継がれていきました。
そこに一役買ったのが幕府に仕えた御用絵師の狩野探幽。
1667年には雪舟の絵を一つの様式美としてをまねる形で富士山、三保松原、清見寺を一枚に収めた絵を狩野探幽に描かせます。
こうして富士山を描く時にはこの3点セットの定型を完成させました。
また、富士山山頂は三つの峰に分かれて描かれるのが定番の形。
これを「三峰(みつみね)」と呼びます。
これはアイドルだと聖子ちゃんカットにあたるとのこと。
そして、江戸城の将軍の寝室と執務室を兼ねていた部屋(中奥休息の間)の床の間にも富士山の絵が描かれていたそう。
その前に鎮座する将軍と共に富士山を一体とするイメージも打ち出される事になりました。
江戸時代後期になるともうすっかり江戸のアイドルとなった富士山。
浮世絵にもこぞって描かれるようになりました。
葛飾北斎の富嶽三十六景などは典型例。
浮世絵は版画で大量生産されます。
それまで大型の掛け軸を持つことが出来なかった庶民も富士山の絵を手にする事が出来るようになりました。
このようにして、富士山は国民的アイドルへ。
後の14代将軍の徳川家茂は富士山の掛け軸をアメリカの大統領に贈りました。
日本の象徴である富士山をアピールしました。
やがて世界に誇る日本のシンボルにまで上り詰めた富士山。
日本人もしだいに愛着を抱くようになりました。
最後に松島先生がおすすめする富士山ビュー＆撮影ポイントを紹介。
3位 山梨・富士吉田市
農村公園の田園風景と富士山のコラボが絶景。
田んぼに水が張る時期には美しい逆さ富士もみられます。
2位 静岡・富士宮市 朝霧高原
牛の群れのバックに富士山という絶景。
1位 静岡・富士宮市 静岡県富士山世界遺産センター
大鳥居に中に富士山を入れて写真を撮るのが定番とのこと。
結論
というわけで、
「なんで日本人は富士山が好きなの？」は、
「徳川家のプロデュースに乗せられたから」
でした。
解説してくれたのは
静岡県富士山世界遺産センターの松島仁教授。
基本情報
所属静岡県富士山世界遺産センター 教授 (学芸課長)
研究分野
人文・社会 / 博物館学 /
人文・社会 / 美術史 /
経歴
2018年4月 – 現在静岡県富士山世界遺産センター, 教授
2012年4月 – 現在公益財団法人德川記念財団, 特別研究員
2015年4月 – 2018年3月静岡県富士山世界遺産センター, 准教授
学歴
2002年4月 – 2008年1月学習院大学, 人文科学研究科博士後期課程, 哲学専攻
1999年4月 – 2002年3月学習院大学, 大学院人文科学研究科博士前期課程, 哲学専攻
1997年4月 – 1999年3月学習院大学, 文学部, 哲学科
1987年4月 – 1991年3月学習院大学, 文学部, ドイツ文学科
（大学HPより）
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
他の記事もよろしくね。