今回は、チコちゃんに叱られる! ▽写真うつりの不思議▽ブレイキン秘話▽家紋の謎 初回放送日: 2023年2月17日の番組内容を紹介。
家紋って何のためにあるの？
家紋って何のためにあるの？
本日の最後の話題。
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、実家が大好きな素敵な大人ってだーれ？」
この問題は、岡村さんが回答者に。
チコちゃん「家紋ってなんのためにあるの？」
正解に至らず、られちゃいました。
チコちゃんの答えは、「自分より偉い人に道を譲るため」
自分より偉い人に道を譲るため
解説してくれたのは、日本家紋研究会の髙澤等会長。
家紋は日本に5万種類以上。
家紋は、平安時代に貴族の間に広まっていた「路頭礼」が大きく関係。
この路頭礼は他人と道で出会った時の礼儀作法。
簡単に言えば、目上の人に道を譲るもの。
平安時代の貴族たちの乗り物と言えば牛車。
牛車には御簾(みす)というすだれがかかっており、誰が乗っているのか一目見ただけでは分かりません。
道で鉢合わせた人物がどんな人物なのか？道を譲るべきか？わかりません。
そこで牛車に独自のマークを付けることで誰が乗っているのか分かりやすくしたのが家紋の始まり。
名前を書けばよいと考えますが、この当時の文字は教養のある人間にしか読めませんでした。
そこで、分かりやすくデザインで示した方が合理的。
そして鎌倉時代に時代が進むと貴族だけではなく武士も家紋を使うようになりました。
武士の間では戦場や陣地に家紋が付いた旗や幕があると敵味方を区別可能。
だれが活躍しているのかも一目で判断可能になることで、広まります。
そして、江戸時代になって戦が無くなりると、儀礼の場で重宝されるようになります。
江戸時代の武士同士の礼儀作法は非常に複雑。
家の格、役職、立場によって細かく挨拶の作法が異なっていました。
礼儀を間違えてしまうと出世に関わるので、着物や持ち物などに付いた家紋は非常に重要な個人情報。
そのために「武監」と呼ばれる大名や幕府の役人のプロフィールをまとめた本も存在。
家紋がわかれば、家系、出身、当主、役職などがわかるようになっていました。
これをもとに家紋でその人の身分が分かって、どのような礼儀作法で接すれば良いのかわかります。
その後、歌舞伎役者など家柄を重要にする世界でも使用されるように。
その後、商店の店先に掲げられるなど徐々に一般庶民にも浸透。
苗字を持たない庶民でも家紋を持つことは特に禁止されていませんでした。
そのため、家紋文化は広まっていきます。
しかし、明治時代になると多くの人が読み書きできるようになります。
名字さえあれば問題なくなりました。
これによって家紋の必要性が薄れていきました。
さらに西洋文化が入ってきたことで紋付きの着物ではなく、洋服を着る機会も増えました。
それでも先祖代々継承されているお墓や着物などには家紋の文化がしっかり残っていています。
髙澤先生が紹介する全国的に多い家紋3選
藤の家紋
古来の藤原一族が使っていた家紋。
藤は生命力が強くて子孫繁栄・長寿を象徴する植物。
藤の家紋を使っていたのは黒田官兵衛、伊藤博文、大久保利通など。
柏の家紋
神様に供える食事の器として柏の葉が使われたことが由来。
柏の家紋を使っていたのは兼好法師、山内一豊、渋沢栄一など。
木瓜の家紋
神社などにかかっている御簾の上の部分は帽額(もこう)
その部分に描かれていたデザインを流用したのが木瓜。
木瓜の家紋を使っていたのは紀貫之などの紀氏や、大伴家持などの伴氏、
沖田総司、樋口一葉、織田信長など。
ちなみに豊臣家の家紋として有名な五七桐
もともと平安時代初期の嵯峨天皇の着物に入っていた模様。
天皇家に功績のあった者に与えられたものです。
これがいつしか家柄を表す意味の他に「天皇家のお墨付き」の意味でも使用されるようになりました。
現在も内閣総理大臣のスピーチ台などにもみられますね。
結論
というわけで、
「家紋って何のためにあるの？」は、
「自分より偉い人に道を譲るため」
でした。
解説してくれたのは
日本家紋研究会の髙澤等会長
高澤 等（たかさわ ひとし、旧姓：千鹿野等 1959年6月12日 – ）は、日本の歴史研究家。日本家紋研究会会長。 1959年埼玉県飯能市に生まれ、錦城高校卒業、城西大学中退。
概要
家紋分野ではフィールドワークで収集した膨大な家紋データに基づく研究スタイルを得意とし、その使用家や分布などの統計を用いて家紋研究・姓氏研究を行っている。 著書『家紋の事典』では、沼田頼輔の『日本紋章学』以来ほとんど書き換えられず定説化していた説にも積極的に新説を唱えて家紋研究に一石を投じている。
家紋だけでなく戦国史、姓氏、地名、風俗にも造詣が深くマルチな視点で著作活動を行っている。 また『戦国武将 敗者の子孫たち』、『新・信長公記』など戦国時代関連の著書では独特の視点で積極的に新説を発表している。
主な著作
「家紋の事典」東京堂出版 2008年 ISBN 9784490107388
「苗字から引く家紋の事典」東京堂出版 2011年 ISBN 9784490107821
「新・信長公記」ブイツーソリューション、2011年 ISBN 9784434156250
「イラスト図解 家紋」日東書院 2011年 ISBN9784528019348
「家紋歳時記」洋泉社 2011年 ISBN 9784862488404
「戦国武将 敗者の子孫たち」洋泉社 2012年 ISBN 9784800300287
「家紋のすべてがわかる本」PHP研究所 2012年 ISBN 9784569807140
「日本の名字・家紋大事典」ユーキャン 2017年
「面白いほどよくわかる！家紋と名字」西東社 2019年 ISBN 9784791628889
（大学HPより）
日本家紋研究会は大切な日本文化である家紋の記録を保存するため、約40年にわたり日本全国津々浦々の主だった寺院、霊園を巡歴して家紋と地名、苗字との関連を調査取材しております。採集した家紋データは250万件に及び、各県毎に日々更新しつつ編纂中です。
日本家紋研究会 会長 高澤 等
（Wikipediaより）
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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