今回はチコちゃんに叱られる! ▽首をかしげると?▽暗証番号の謎▽消しゴムの謎 初回放送日:2025年4月25日を紹介。
なんで暗証番号って4桁なの?
なんで暗証番号って4桁なの?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、お金の管理がしっかりできてるステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「なんで暗証番号って4桁なの?」
チコちゃんの答えは、「ジョンさんの奥さんが4桁までしか覚えられなかったから。」
ジョンさんの奥さんが4桁までしか覚えられなかったから
暗証番号というものが世界に広まったのは銀行のATM誕生が大きく関係しています。
1967年にイギリスの発明家ジョン・シェパードバロンさんが世界初のATMを開発しました。

当時のイギリスでは現金を銀行窓口で数ポンドずつおろして使うのが一般的。
そのために町のいたる所に銀行窓口がありました。
そして、日曜日になると銀行が閉まってしまいます。
そのため、週末になると少し多めに現金を引き出すことに。
シェパードバロンさんは窓口が既に閉まっていてお金がおろせないという不便を体験。
もっと簡単にお金を引き出せないかと思案しました。
そこで、「お金の自動販売機」というアイデアをひらめきます。
1960年代のイギリスではコーヒーや牛乳など様々な自動販売機が誕生していた時代。

とくにチョコバーの自動販売機であればお金に置き換える事が可能では?と発想。

イギリスの大手だったバークレイズ銀行の知り合いにそのアイデアを持っていくと、すぐに採用され開発に。
また、イギリスでは1930年頃から職業や企業によって週休2日制の導入がスタートしていました。
この時代のイギリスの銀行は土曜日まで営業する働き方。
土曜日に銀行に行く人で混みがちだった窓口が週休2日制になると、金曜日の負担がさらに増すことに。
この対策を取りたかった銀行側からすると窓口を介さずともお金を引き出せるシェパードバロンさんのアイデアはまさにタイムリー。
当初考えられたATMは今のようなキャッシュカードを使うものではありませんでした。
専用の小切手を使う物でした。
紙に含ませた微量の放射性物質によってATM専用の小切手である事を機械に識別させてお金を出すというシステム。

金額は小切手1枚につき10ポンド(約1万円)と決められていました。
しかし、小切手を機械に入れるだけでお金が出て来るだけだと、誰でも小切手さえあればお金を引き出し放題。
そこで、口座と結びつけて本人確認をすることに。
個人の暗証番号で本人照合を行うというシステムも導入されました。
しかし、当初の暗証番号は「6桁」。
シェパードバロンさんは第二次世界大戦中にイギリス陸軍に所属していました。
その時に与えられていた軍隊内で個人を識別するための6桁の番号=認識番号から着想。

6桁の数字であれば人間は簡単に記憶できるはずと考え、これを暗証番号に設定しました。
こうして1967年に世界初のATMが誕生することに。

使用方法は、まず、1番のトレーに小切手を入れます。
真ん中のボタンで6桁の暗証番号を打ちます。
そして、本人確認が出来ると2番のトレーから10ポンドのお金が出て来るもの。
この機械はキャッシュディスペンサーと名付けられました。
これは1970年に日本にも輸入されて日本でも同様のシステムで運用されていました。
つまり暗所番号の始まりは6桁。
しかし、ある日、シェパードバロンさんの奥様が「私は4桁までしか覚えられない」と告白。
そこで、状況は一変する事になります。
当時の暗証番号は自分で好きな数字を設定するものではありませんでした。
銀行側が個人に割り振った番号で余計に覚えづらいこともありました。
そして、キャッシュディスペンサーの暗証番号は4桁に変更されました。
さらに時期を同じくして1969年にイギリスの銀行では週休2日制が完全導入。
キャッシュディスペンサーの需要は爆発的に増加することに。
こうしてイギリスのATMの暗証番号が4桁になったので、これに倣って欧米や日本でも4桁の暗証番号が主流になりました。
スコットランドのジェームズ・グッドフェローさんという人物がシェパードバロンさんよりも先に暗証番号の特許を取得。
のちにシェパードバロンと同様に勲章を受ける事になりました。
ATMはカードを本人が持っているというのがセキュリティの第一要素で、本人が記憶している4桁の暗証番号は第二の要素となる二要素認証というシステムになっています。

また、3回以上間違えると、窓口に行かなければなりません。
セキュリティの強度としては十分という考え方とのこと。
最後に、4桁の暗証番号の組み合わせは、10000通りありますが、誕生日とかでは365通りしかないので、そのような設定はしないようにとのこと。

結論
というわけで、
「なんで暗証番号って4桁なの?」は、
「ジョンさんの奥さんが4桁までしか覚えられなかったから」
でした。
解説してくれたのは
立命館大学の上原哲太郎教授。
ウエハラ テツタロウ
上原 哲太郎
1. 情報理工学研究科
2. OIC総合研究機構 IoTセキュリティ研究センター
学歴
1. 1996/03
(学位取得) 京都大学 京都大学博士(工学)
2. │ Kyoto University │ Doctor of Engineering
3. ~1990/03 京都大学 工学部 情報工学科 卒業
4. ~1992/03 京都大学大学院 工学研究科 情報工学専攻 修士課程 修了
5. ~1995/03 京都大学大学院 工学研究科 情報工学専攻 博士後期課程 単位取得満期退学
職歴
1. 2017/04/01 立命館大学 情報理工学部 情報理工学科 セキュリティネットワークコース教授
2. 2013/04/01 ~ 2017/03/31 立命館大学 情報理工学部 情報システム学科 教授
3. 2012/07/15 ~ 2013/03/31 総務省 情報通信国際戦略局 通信規格課 標準化推進官 併 情報流通行政局 情報流通振興課 情報セキュリティ対策室
4. 2011/10/01 ~ 2012/07/14 総務省 情報通信国際戦略局 通信規格課 標準化推進官
5. 2007/04/01 ~ 2011/09/30 京都大学 学術情報メディアセンター 准教授
(大学HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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