今回はチコちゃんに叱られる! ▽ネコ派とイヌ派▽せえのって?▽子どもはなぜ転ぶ 初回放送日NHK総合テレビジョン5月22日(金)を紹介。
せーのってなに?
せーのってなに?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、人に合わせて動けるステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「せーのってなに?」
チコちゃんの答えは、「塞の神解」
塞の神
「せーの!」の意外なルーツ!日本神話の神様が由来だった!?
重い物を持ち上げるとき、みんなでタイミングを合わせるとき。
私たちは無意識に「せーの!」という掛け声を使っていますよね。
でも、ふと考えたことはありませんか?
「せーの」って、一体なんの言葉なんだろう?
実はこれ、単なるリズム取りの言葉ではありませんでした。
チコちゃんの答えは、驚きの「塞(さい)の神」!
京都先端科学大学の丸田博之特任教授の解説をもとに、私たちの生活に根付いた神聖な言葉の謎を解き明かしていきましょう。
神話に登場する「境界を守る神様」
「塞の神(さいのかみ)」とは、日本神話に登場する神様です。
かつてイザナギという神様が、死んでしまった妻を追ってあの世へ行きました。
そこで変わり果てた妻の姿を見て恐れおののき、必死で逃げ出します。
その際、あの世とこの世の入り口を大きな岩で塞ぎ、災いを防いだのが「塞の神」です。
古事記にも記されている由緒正しい神様で、道祖神(どうそじん)とも呼ばれます。
村の入り口や地域の境に祀られ、疫病や悪霊から人々を守る「身近な神様」として、今でも全国で大切にされています。
「塞の神、来い!」が語源だった?
昔の人は、重労働や大変な困難に直面したとき、「神様の力を借りたい!」と強く願いました。
重い物を持ち上げるとき、人々の背中を押してほしい。
そんな願いを込めて、「塞の神、来い(さいのかみ、こい)!」と呼びかけたのが、全ての始まりだといわれています。
このフレーズが、長い年月をかけて変化していきました。
「さいのこーい」
「せーのこーい」
そして、今の「せーの!」へ。
富山県の方言集『砺波民俗語彙(となみみんぞくごい)』にも、「セーノコイ」が力を合わせる時の掛け声として紹介されています。
それが時代とともに、タイミングを合わせるシチュエーション全般で使われるようになったのです。
「いっせーのーせっ!」には意外な外国語が混ざっていた
全国各地には、他にもユニークな掛け声がありますよね。
特によく聞く「いっせーのーせっ!」というフレーズ。
これは「一斉の」が由来だと思われがちですが、実は違います。
なんと、幕末に日本へ寄港したフランス海軍が使っていた号令がルーツなのです!
フランス語で引き揚げろ!という意味の「イセー(hisser)」。
これが神奈川県から広まり、元々あった「せーの」と混ざり合って「いっせーのーせっ!」が誕生したといわれています。
日本語の神様とフランスの海軍用語がミックスされるなんて、歴史のロマンを感じますね。
日本全国、掛け声のバリエーションが面白い!
日本各地には、その土地ならではの面白い掛け声が溢れています。
実は「せーの」は地域差がとても色濃い文化なんですよ。
関西地方の「いっせーのーで!」
「で!」と言い終わった瞬間に持ち上げるスタイル。
この「で!」の後には「はい!」と言いたい気持ちをグッと飲み込み、一呼吸置くという意思が込められているそうです。
九州北部の「さんのーがーはい!」
これも「塞の神」が由来。
地域によって「さん・にー・いち!」とカウントダウンしたり、「いち・にー・さん・はい!」とカウントアップしたりと、バリエー
ションは無限大です。
鹿児島・宮崎・熊本の独自進化
鹿児島では「いっちゃーのーがーせい!」と進化し、宮崎や熊本では「せーの」と「いち・にー・さん」が混ざり合って定着しています。
「よっこらしょ!」という掛け声も、力士が力を入れる時の「どっこい」から生まれた「どっこいしょ」が変化した言葉です。
全国をまとめると
まとめ
何気なく使っている「せーの!」という言葉。
そこには、重労働に立ち向かう昔の人々の必死な願いと、神様への祈りが込められていました。
「せーの」のルーツは災いを防ぐ神様「塞の神」。
「塞の神、来い!」という助けを求める掛け声が変化した。
「いっせーのーせっ!」にはフランス海軍の号令が混ざっている。
私たちが「せーの!」と掛け声をかけるとき、それはただリズムを合わせているだけではないのかもしれません。
仲間と力を合わせるために、昔の知恵と神様の力を借りている、
そんな風に考えると、いつもより少しだけ頑張れそうな気がしませんか?
結論
というわけで、
「せーのってなに?」は、
「塞の神」
でした。
解説してくれたのは
京都先端科学大学の丸田博之特任教授。
丸田 博之
MARUTA Hiroshi
人文学部 歴史文化学科
特任教授
教員プロフィール
専門分野
日本語史、キリシタン資料、狂言、中国・朝鮮資料
所属学会
訓点語学会、近代語学会、国語語彙史研究会
担当科目
アカデミック・ライティングⅠ・Ⅱ、日本語リテラシーⅠ・Ⅱ、日本語Ⅰ・Ⅱ、京都文化学概論A・B、歴史言語学、異文化交渉史、フィールドワーク京都A・B、基礎ゼミⅠ・Ⅱ、キャリアサポート実践講座A・B、専門ゼミA~D、【院】日本言語文化特論A・B(隔年開講)、【院】日本言語文化研究演習A・B
学位
博士(文学) 京都大学
略歴
京都大学文学部国語学国文学科卒業
京都大学大学院文学研究科国語学国文学専攻修士課程修了
京都大学大学院文学研究科国語学国文学専攻博士後期課程修了
姫路獨協大学外国語学部日本語学科助教授
(大学HPより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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