今回はチコちゃんに叱られる! ▽ゆで卵の上手なむきかた▽止まれの謎▽ハニワとは 初回放送日:2024年11月15日を紹介。
ハニワって何?
ハニワって何?
チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、歴史が好きなステキな大人ってだーれ?」
チコちゃん「ハニワって何?」
チコちゃんの答えは、「王様の大河ドラマ」
王様の大河ドラマ
ハニワは日本列島で誕生した独自の文化。
その始まりは今から1700年ほど前の3世紀の中頃。
前方後円墳が生まれた時期とほぼ同じ時代です。
当時の日本列島はまだ日本という呼び名が生まれる前でヤマト王権という政権が力を持っていました。
ヤマト王権の支配下では大王や権力者が亡くなった際に古墳に埋葬されるという風習がありました。
様々な形の古墳が日本全国に造られてました。
3世紀の中ごろから7世紀にかけて16万基の古墳が誕生。
この時代にハニワも生まれました。
初期は土管のような形の物(=円筒埴輪)が多く作られていました。
これらは飲食用の壺を高く掲げるための台から変化して作られたもの。
この円筒埴輪は古墳を取り囲むように配置されていました。
現実世界と聖なる古墳を区別する境界線の役割。
邪悪なものを飲食物でもてなして古墳に入らせないように。
魔除けの意味合いがありました。
そして4世紀になると各地で争いが起こるように。
こういった時代背景を反映してハニワは王の権力を表すシンボルのような存在に変化します。
例えば家形の埴輪は権力者が実際に住んでいた家を表現。
死後も魂がよりつく場所という意味合いに。
また、盾形の埴輪は王の武力の象徴
実際の盾のハニワ
上流階級のみが使っていた太陽の光を遮る蓋(きぬがさ)
これをモチーフにした埴輪など。
王の所有物を表すこれらの形象埴輪は全て権力の象徴となりました。
これが5世紀になるとハニワにストーリー性・ドラマ性が加わるように。
人物をデザインに取り込むことで王が実際に行った偉業を表現するという技法が誕生
最後にハニワクイズ。
このハニワらはどんな場面を表現しているか。
これは狩猟を。
こちらはお祓い。
そして、これが葬儀。
は踊る人々を表現していて、亡くなった王の葬儀で王の復活を願って人々が踊るもの。
殯(もがり)という古墳時代の風習の一風景。
このように、人物埴輪を使って、王様の大河ドラマを表現することに。
結論
というわけで、
「ハニワって何?」は、
「王様の大河ドラマ」
でした。
解説してくれたのは
東京国立博物館の河野正訓主任研究員。
所属
独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館 学芸研究部調査研究課考古室(兼任)学芸研究部保存科学課保存修復室 主任研究員
学位
博士(2012年3月 京都大学)
修士(2008年3月 京都大学)
学士(2005年3月 明治大学)
専門:日本考古学(主に古墳時代)
出身:山口県下関市彦島
現在の研究テーマ:
①古墳時代社会の研究
②既掘古墳出土資料の考古学的研究
③積石塚古墳の研究
④農工具からみた古代東アジアにおける技術交流の研究
⑤埴輪の研究
代表作:
【単著】河野正訓2014『古墳時代の農具研究-鉄製刃先の基礎的検討をもとに-』雄山閣 ※京都大学の博士学位論文
【共著】河野正訓・山本亮2024『はにわのヒミツ』新泉社
【編集】河野正訓(編)2024『修理調査報告 国宝 埴輪 挂甲の武人』東京国立博物館
【監修】河野正訓(監修)2019『古墳のなぞがわかる本』岩崎書店
河野正訓(監修)2021『作って学ぼう! 日本の歴史ペーパークラフト 古代編』あかね書房
【論文】河野正訓2021「日本列島における古墳時代の鉄柄斧」『考古学雑誌』第103巻第2号 日本考古學會 pp.1-32
研究キーワード
地域史
埴輪
積石塚
古代学
墨書土器
古墳時代
鉄製品
農具
考古学
研究分野
人文・社会 / 考古学 /
経歴
2024年4月 – 現在独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館, 学芸研究部調査研究課考古室(兼任)学芸研究部保存科学課保存修復室, 主任研究員
2024年4月 – 2024年9月明治大学, 文学部, 兼任講師【演習】
2021年4月 – 2024年3月独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館 学芸企画部企画課特別展室(兼任)学芸研究部調査研究課考古室(併任)独立行政法人国立文化財機構 本部 文化財防災センター, 主任研究員
2021年1月 – 2021年3月独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館 学芸研究部調査研究課考古室(併任)独立行政法人国立文化財機構 本部 文化財防災センター, 主任研究員
2020年4月 – 2020年12月独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館, 学芸研究部調査研究課考古室, 主任研究員
2015年7月 – 2020年3月独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館, 学芸研究部調査研究課考古室, 研究員
2015年4月 – 2016年3月埼玉大学, 教育機構, 非常勤講師【講義】
2014年10月 – 2016年3月島根大学法文学部 山陰研究センター, 客員研究員
2012年4月 – 2016年3月明治大学文学部, 兼任講師【実習・演習】
2014年4月 – 2015年6月独立行政法人国立文化財機構 東京国立博物館, 学芸研究部調査研究課考古室, アソシエイトフェロー
2014年2月 – 2014年3月島根大学法文学部 山陰研究センター, 客員研究員
2012年10月 – 2014年3月淑徳大学国際コミュニケーション学部 兼任講師【講義】
2012年4月 – 2014年3月明治大学研究・知財戦略機構 古代学研究所, 研究推進員
2011年10月 – 2012年3月明治大学研究・知財戦略機構 日本古代学研究所, 研究推進員
2008年4月 – 2009年3月京都大学文学部考古学専攻, TA【実習】
学歴
2011年4月 – 2012年3月京都大学大学院, 文学研究科, 考古学専攻大学院聴講生
2008年4月 – 2011年3月京都大学大学院, 文学研究科, 考古学専攻博士後期課程 研究指導認定退学
2006年4月 – 2008年3月京都大学大学院, 文学研究科, 考古学専攻修士課程
2005年4月 – 2006年3月京都大学, 文学部, 考古学専攻聴講生
2001年4月 – 2005年3月明治大学, 文学部, 史学地理学科考古学専修
2000年4月 – 2001年3月代々木ゼミナール小倉校
1997年4月 – 2000年3月山口県立下関西高等学校
(大学HPより)
(Wikipediaより)
今回も最後まで読んでくれてありがとう。
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