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チコちゃんに叱られる!

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なんで関西の人は「お」や「さん」をつけるの? 女官が天皇に敬意を払ったから

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今回はチコちゃんに叱られる! ▽二度寝の謎▽高速道路の標識▽“お”と“さん” 初回放送日NHK総合テレビジョン11月28日(金)午後7:57を紹介。


なんで関西の人は「お」や「さん」をつけるの?




なんで関西の人は「お」や「さん」をつけるの?


チコちゃん「ねぇねぇ岡村、この中で一番、ふるさとを大事にしているステキな大人ってだーれ?」


チコちゃん「なんで関西の人は「お」や「さん」をつけるの?」


チコちゃんの答えは、「女官が天皇に敬意を払ったから。」



女官が天皇に敬意を払ったから


なぜ関西は「お芋さん」「おあげさん」と呼ぶ? 女房詞と商人文化の深い関係!

関西地方では、食べ物や身近なものを「お芋さん」「おあげさん」「お月さん」といった独特の呼び方で呼ぶことがありますよね。


この「お〇〇さん」という、丁寧で親しみが込められた表現のルーツには、なんと平安時代の宮廷と、江戸時代の商人文化という二つの歴史が関わっていました。



「女房詞」がルーツ!御所の言葉遣い

関西で使われる「お」を付けた言葉の始まりは、御所に仕えていた女官たちの言葉、女房詞(にょうぼうことば)が由来とされています。




天皇や貴族が住む御所には、位の高い人々の世話をする女官たちが多く働いていました。




平安時代を代表する紫式部や清少納言も、天皇家に仕える女官でした。




彼女たちが日常的に接するのは天皇や貴族たちであるため、自然と上品な言葉遣いが求められました。


ここで、天皇の食事に関わる女官たちを中心に、「天皇が召し上がるものを呼び捨てにするのは失礼にあたる」という考えから、言葉の頭に「お」を付ける言葉遣いが誕生しました。


例えば、握り飯は*おむすび」、醤油は「おしたじ」といった言葉が女房詞をまとめた文献に残っています。




憧れから庶民へ広がる「お言葉」

御所は、基本的に庶民が立ち入ることができない場所でした。


そのため、御所に出入りする職人や役人などを通して、女官たちの言葉遣いは、「高貴な人たちの言葉遣い」として庶民の興味の対象となりました。




庶民は、御所を知る手がかりとして、この言葉遣いを真似しました。


これをきっかけに、江戸時代になると、この「お」を付ける女房詞は、庶民の間にも大きく広まっていくことになります。



関西商人が生んだ「さん」付け文化

その後、江戸時代後半になると、「お〇〇」にさらに「さん」を付ける言葉遣いも誕生します。


関西では古くから「さん」付けは丁寧な言葉遣いとして広まっていました。


例えば、江戸時代の関西では天皇のことを「京都禁延(きんてい)さん」と呼ぶなど、敬意を払う対象には「さん」を付ける文化があったのです。





庶民の間に女房詞が広まる中で、この「さん」を付けて、さらに丁寧にバージョンアップさせたのが「お〇〇さん」という表現でした。




「様」と「さん」の違い:武家と町人

同じ言葉を東京では「お芋様」「お月様」のように「様」を付けるのが一般的です。


仏、恵比寿、大黒、閻魔など同様に、さんづけですね。



これと「さん」付けの関西文化には、大きな違いがあります。


関東:武家社会がベースで、厳しい上下関係が基本です。目上の人に対しては「様」を付けるのが絶対ルールでした。


関西:商人を中心とした町人文化がベースです。商売相手に対して「様」だと他人行儀で堅苦しいと感じられました。


そのため、関西では敬う相手に対しても「さん」付けで親しみを示す文化が根付きました。


この「親しみを示す」という文化が、「お芋さん」などの呼び方にも影響を与えているのです。



調理されたものに付ける「お〇〇さん」

「お〇〇さん」と呼ぶ対象には、暗黙のルールが存在しています。




それは、調理済みで食べられる状態になって初めて使われるというルールです。


例えば、材料の状態では「大豆」「豆」と呼びますが、調理済みだと「お豆さん」となります。


お味噌、醤油も同様ですね。




他にも、かまどのことを「おくどさん」と呼ぶのも女房詞が由来です。




火を扱う場所に祀る神様を竈(くど)と呼んだことから、敬意を込めて「おくどさん」となったとされています。


関西の「お〇〇さん」という言葉には、優雅な宮廷の言葉遣いと、親密さを重んじる町人文化の知恵が詰まっていたのですね。



結論


というわけで、


「なんで関西の人は「お」や「さん」をつけるの?」は、


「女官が天皇に敬意を払ったから」


でした。
 



解説してくれたのは


同志社女子大学の中井精一教授


教授
中井 精一 (なかい せいいち)
Nakai Seiichi
Profile
所属
表象文化学部 日本語日本文学科

学位
博士(文学) 大阪大学

修士(言語文化) 大阪外国語大学(現 大阪大学)

研究分野
日本語学 方言学 社会言語学

研究テーマ
関西弁の特徴や拡がりについて研究しています

研究紹介
日本各地には、さまざまな地域日本語=方言があります。方言は、地域の歴史や社会、人々の暮らしと密接につながっていて、京都や大阪のような商工業で栄えてきた地域では、人に対する細やかな気遣いとそれに対応するような精緻な敬語使用が認められます。 京都や大阪のことば=関西弁にはどのような特徴があるのか。また関西弁は、各地の方言にどような影響を与えているのか。このようなことに関心をもちつつ、楽しく研究を続けています。
(大学HPより)




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